Ep.127 ページ33
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電話を切り、携帯をしまう先生にさくらが問いかけた。
「・・・今のどういうことですか?」
「言った通りだ。
“hunter” なる人物が名乗り出なければ、教室を爆破する」
「俺達はもちろん避難・・・できるんだよな、」
石倉くんの問いかけに、先生は何も答えない。
「何が待ってんだよ・・・、
俺達手ェ組んだんじゃねぇのかよ!!!」
何も答えない先生に、兵頭くんが怒鳴った。
「勘違いするなよ。
お前達と仲間になったつもりはない。
俺がお前達に協力を求めたのは、“真実を暴くために命を差し出してほしい”・・・そういう意味だ」
先生がそういうと、恐る恐る皆が携帯に手を伸ばした。
私はふと、昨日の朝のことを思い出していて。
“信じる信じないゲーム” 、だっけ。
どうしても、意味もなく先生があんなことするようには思えなかったから。
眼鏡をつけてるときは、信じろ。
外している時は、信じるな。
あれが今も続いているとするならば、そういうことなんだろう。
でもこれはたぶん、ひとりひとりが己で考えて気付かなきゃいけないこと。
だから余計なことは言わないで、黙って見ていることにした。
「・・・はい、携帯ストップ」
腕時計にあてがわれる先生の指。
本当に爆弾があることはこの6日間で嫌というほどわかってるから、皆は動きを止めて。
「・・・やっぱり携帯を持たせておくのは危険だな。
これから、全員の鞄と携帯を回収する」
なんか懐かしいなぁ、なんて呑気なこと言いながら皆の荷物を回収してく先生。
はいラストー、と私達のところにも荷物を回収しにくる。
「だからこれもな、」
『・・・チッ』
「舌打ちはダメだろー」
ヘッドホンとられたときの舌打ちは、わりと素だった。
甲斐軍団のうるささを遮断して安眠したかったのに。
「・・・俺達を殺すつもりはねぇんだろ」
「残念だが俺は、目的を果たすためなら容赦はしない」
私が既に気付いてることを見抜いてるのか否か、回収した荷物をよたよたと運ぶ先生。
「じゃあ、僕達は先生の中の誰かが犯人だと名乗り出なければ、死ぬってことですか・・・!?」
「ぴーんぽーん!
さすがは “元” 内通者、話が分かる!」
逢沢くんに対しても、“元” の部分を強調する。
逢沢くんの反応を見る限り、ここから先は彼も知らされてないのかもしれない。
・・・もしかして、巻き込まないようにしてる?
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わ - いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時