検索窓
今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:218,135 hit

Ep.127 ページ33

.





電話を切り、携帯をしまう先生にさくらが問いかけた。




「・・・今のどういうことですか?」

「言った通りだ。
“hunter” なる人物が名乗り出なければ、教室を爆破する」

「俺達はもちろん避難・・・できるんだよな、」




石倉くんの問いかけに、先生は何も答えない。




「何が待ってんだよ・・・、
俺達手ェ組んだんじゃねぇのかよ!!!」




何も答えない先生に、兵頭くんが怒鳴った。




「勘違いするなよ。
お前達と仲間になったつもりはない。
俺がお前達に協力を求めたのは、“真実を暴くために命を差し出してほしい”・・・そういう意味だ」




先生がそういうと、恐る恐る皆が携帯に手を伸ばした。


私はふと、昨日の朝のことを思い出していて。


“信じる信じないゲーム” 、だっけ。

どうしても、意味もなく先生があんなことするようには思えなかったから。


眼鏡をつけてるときは、信じろ。

外している時は、信じるな。


あれが今も続いているとするならば、そういうことなんだろう。



でもこれはたぶん、ひとりひとりが己で考えて気付かなきゃいけないこと。

だから余計なことは言わないで、黙って見ていることにした。




「・・・はい、携帯ストップ」




腕時計にあてがわれる先生の指。

本当に爆弾があることはこの6日間で嫌というほどわかってるから、皆は動きを止めて。




「・・・やっぱり携帯を持たせておくのは危険だな。
これから、全員の鞄と携帯を回収する」




なんか懐かしいなぁ、なんて呑気なこと言いながら皆の荷物を回収してく先生。


はいラストー、と私達のところにも荷物を回収しにくる。




「だからこれもな、」

『・・・チッ』

「舌打ちはダメだろー」




ヘッドホンとられたときの舌打ちは、わりと素だった。

甲斐軍団のうるささを遮断して安眠したかったのに。




「・・・俺達を殺すつもりはねぇんだろ」

「残念だが俺は、目的を果たすためなら容赦はしない」




私が既に気付いてることを見抜いてるのか否か、回収した荷物をよたよたと運ぶ先生。




「じゃあ、僕達は先生の中の誰かが犯人だと名乗り出なければ、死ぬってことですか・・・!?」

「ぴーんぽーん!
さすがは “元” 内通者、話が分かる!」




逢沢くんに対しても、“元” の部分を強調する。

逢沢くんの反応を見る限り、ここから先は彼も知らされてないのかもしれない。


・・・もしかして、巻き込まないようにしてる?




.

Ep.128→←Ep.126



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (178 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
450人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
- 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。