Ep.117 ページ23
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「────警察のみなさーん、そこまでです」
先に梯子を降りていった先生は、両手が塞がって上手く降りられない私を抱っこして下に下ろした。
人質役だから変なこと言えないし、
無理すんなって言ったろ、と思いきり睨んでやる。
「“倒れた” という情報が出回っていたので、さぞかし驚かれたことでしょう。
・・・でも、生徒に情報を拡散させたのは “僕の指示” です。
爆弾の数も減ってきちゃったので、新しい武器が欲しくて。だから────ッ」
『・・・・・せん・・・ッ!!』
言葉に詰まって苦しみだした先生。
咄嗟に呼ぼうとすると口を手で覆われ、首にナイフをあてがわれた。
『んん・・・ッ、!!ん゙〜ッ!!』
「・・・ッ、全ての武器をここに置いて、ッッ・・・、撤退してください、ッ」
痛いよね、苦しいよね。
私の肩を掴む手に、尋常じゃないほど力がこもってる。
荒い息遣いが耳元で聞こえて、ダイレクトに先生の苦しみが伝わってきて。
私がしんどいわけじゃないのに涙が溢れてきた。
先生の様子がおかしいことを察した上に、人質の私が泣き出したことで相手は武器を構える。
────── ドォン・・・ッ!!
瞬間、先生は爆弾のひとつを爆破した。
「ご安心ください。
隊員の皆さんは、無事です。
・・・ッ、ただ、次は本当に・・・ッ
真上にある爆弾を・・・、ッ爆破させます、!
人質の、ッ命の保証も・・・ありません。
・・・どうしますか、」
相手が床に武器を置いたのを確認した。
「ご協力に、感謝致します・・・、!
ッ代わりと言ってはなんですが、これからSNS・マインドボイスに、ある情報を・・・ッ流します、。
それをご覧になれば・・・ッ、!
皆さんの、ッ考えが、変わるかもしれません、・・・ッ!!」
相手はもう撤退したから、半ば無理矢理床に座らせた。
話し方もさっきより辛そう。
私の腕を掴んで痛みに耐えて、それでも必死に話し続ける。
もういいよ、大丈夫だから。
でも、私がここで言葉を発したら先生がこんなことをした意味がなくなる。
せめて、先生が全て話し終えるまで唇を噛んで耐えるしかなかった。
「──・・・ッ一体、僕が何をしようとしているのか・・・ッ!・・・Let's!Think・・・!」
先生が話し終えた瞬間にペン型のそれのスイッチを切って放り投げ、先生を抱きしめた。
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わ - いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時