9話 ページ10
Aside
sha「これから先、どこ行くん？」
町を出て、森を歩きながらシャオロンが声をかけてくる。
ci「ここから近い国やったらここやな。ただ賊がおるらしくてな、迷ってる。」
チーノが地図を指さしながら答える。
「治安が良くないんか…。でもそこに行こう！俺の求める人がおる気がすんねん。」
会えなかったらそれだけでいい、次に進めばきっと彼らはいるはずやから。
sha「ちょっと地図見して？あー…ここなら今から半日ほどかかるで。」
ci「半日！？まあ、野宿は覚悟しとるからええけど…」
「じゃあ行こう！」
それに、記憶がないなら新しく作ればいいじゃないか。
なんて、そんな簡単じゃないか。
アイツならきっと俺に正解を教えてくれるのに…どこにいるんやろ。
sha「A。大丈夫や。きっと会える。」
「「なんてったって俺がおるからな！」」
シャオロンはいつもそうやって言ってたなぁ。懐かしいや。
ci「俺を仲間外しにせんといて！それに！俺はAとはずっと一緒やからな！独り占めは許さんぞ！」
「ごめんごめんｗチーノのことも大切だよ。だけどこれからチーノにとっても大切なものがいっぱい増えるから。これからもよろしくな！」
ふわふわとした水色の髪をくしゃくしゃっと撫でて、走り出す。
ci「ちゃんと注意せんとコケ…」
きっとその続きはコケるで！だと思うけどもう遅い。
俺は足元にあった木の根に躓き転んだ後だった。
sha「ダッサｗｗｗｗｗ」
ci「やからいったのにｗｗ」
そうやって煽りながらも手を差し伸べてくれる彼らを俺は今度こそ守りきる。
絶対に俺の前では死なせない。
そう胸に固く誓った。
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