嘘を破って【ツイステ】 (ページ9)

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碧の監視ページ9

　
　
　
　

『....また来てたんですか、ユウ。それに三人も』

人の声がしたからと寮の厨房に寄ってみればオクタヴィネル三人衆とオンボロ寮生のセット

あんな事があったにも関わらずこの寮に来るのはただ単に楽なのだろうか

カリムはああいう性格だし受け入れてくれるし、さぞ簡単に入れた事だろう
ユウ達は食事だったりがオンボロ寮だと用意しにくいからで、オクタはまぁ....暇なのだろう

「冷たい事言わないで下さいよ～先輩....
ところで、今日はまた図書室に行くんですか？」

『いえ、普通に寮に居ようかと。
なので取り敢えず何か口にしておこうと思いまして来たのですが、私もお邪魔しても？』

はい勿論！と満面の笑みを浮かべる彼を横目に髪を縛ろうと手首を確認したのだが...

どうやら部屋にヘアゴムを忘れてきてしまったようで、黒い紐が見当たらなかった

戻るか、と息を軽くはいた私を見て勘づいたのか監督生があの、と声をかけてくる

「もしかしてヘアゴム無いんですか？もしお部屋にあるんだったら、僕が取ってきましょうか？」

『え、いや、別に自分で取ってこれ』
「それがいいと思います。Aさんは見た限り体調が悪そうですしお腹が空いているのでしょう。という事で早く作り始めなくては！」

別に体調悪くないんだけど

突如会話に割り込んできたアズールがさぁ行ってらっしゃい、と強引に監督生を出発させて私に行かせようとしない

彼がドアの向こうに消えた瞬間、双子も話しかけてきて騒がしくなる

彼の、監督生の足音が聞こえにくくなるからと左の耳たぶをきゅうと掴み左に捻る

『ユウは私の部屋を知っているんですかね』

「あぁ、それは確かに。もしかしたら少し遅くなるかもしれませんね、こちらに来るのが」

じゃあ初めから私が行けば良かったのでは？
しかし何も言わず料理をするための物を準備する

.....確かに足音は真っ直ぐでは無く若干蛇行しながら進んでいるようだ

これで認識阻害の魔法がかけられていなければ完全に信用してやったのだが

睨むようにジェイドを見れば相も変わらず読めない笑顔でこちらを見ていた

まるで監視されているみたいだ、とこっそり溜息をついた私は観念して盗聴行為を止めた

　
　

　
　
　
　
　