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碧の太陽 ページ8

 
 
 
 
 
 
 

「やりたくても出来ない事ぐらい誰だって」





「金にならないなら意味が無い」





「生き方を教えてもらわないと何も分からない」





「神がいたとしても、そいつはきっと」





「誰にも理解されなくていい」





「生まれた意味が例えそんな理由でも」





「本当に報われる訳じゃない」





「努力が必ず実るなら皆とっくに」





「そうしないと生きていけないんだから」





「人間そう簡単に変われるとでも言うの」





「お前だけは絶対に、殺しても殺す」








「絶対だ」








ぱちりと閉じていた瞼を開けば寮内の自室の天井
ベッドの上で仰向けに寝そべる彼女はぱらりとシーツに広がる自分の長い髪を掴んで指先でくるくると巻きつける





周囲にはきらきらと光る小さな、ひとつも被ることの無い、色とりどりの宝石が散らかっていて
その中央にいる彼女が朝特有の陽の光をうけてとても幻想的に映る





反射する宝石の眩しさにすっかり目が覚めてしまったのか起き上がる彼女





頭に響くのは、今まで出会って、関わってきた人々の様々な声





寝起きだからかぼんやりとしていて、まるで抜け殻のような彼女は辺りに散らばった宝石の中からひとつ、その長く綺麗な指で丁寧に掴みあげる






承和色のその宝石を片方の目を瞑り、真剣な顔でじっと覗き込んでいる






しばらくそうしていたかと思えばふいに、ふっと笑って目尻を下げる








『....今日は良い天気になりそうだよ、リリ』







何も無い空間にそう言葉を発して彼女は立ち上がって着替えを始めた






彼女の友人がオーバーブロットした数日後....ホリデーも終盤に差し掛かった今日の日の始まり








太陽が静かに昇る良き日だった







 
 
 
 

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作者名:あしな | 作成日時:2020年7月26日 17時

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