嘘を固めて【ツイステ】 (ページ37)

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碧の足音ページ37

　

「A先輩.....」

そんな死人を見たような顔をしなくても
彼の首筋をつぅっと汗が伝う

そういえばあの子と話した後か、この子達
だからといって警戒する要素がある会話をしていたとは思わないが

『貴方達に会ったのは偶然ですから、そんなに驚かなくても良いですし、緊張しないで下さい』

「すっすみません.....」

謝って欲しい訳でもないのだけど
慌てて頭を下げるユウを見ていると視線を感じる

デュースくんじゃないですかなんでしょう

「A先輩、何か怒ってますか？」

『え？』

いえ、怒ってませんけど
怒る要素どこにあったの、逆に

「いや、何だか怖い顔をしていたから.....」

そっか、なるほど
だからユウがちょっとびくびくしてるのか
私鉄仮面とか言われてた事あるぐらいだからね、そりゃちょっと怖いよね

なんなら今でも呼ばれてそうだけど

＿＿＿それとも別の理由かな

『......この学園ほんとに顔面偏差値どうなってるんでしょう、と思ってただけですよ？』

「あんたが言うなあんたが」

鋭いツッコミが返ってきたもんだ
本人は思わず出てしまった、という感じに慌てて口を抑えてるけど

君はそれでいいんだよ、そうであってほしいから

そう心の中でだけ言っておいて口にはださない
恥ずかしいからね

『それじゃあ、そろそろ日も沈みますから
もう幼い子供ではないから大丈夫だとは思いますが夜に外はうろつかないように』

え？という風に首を傾げる彼らに少し脅したくなる心が芽生える

こういう純情な子ほどいじめたくなる、と思う度に自分も変態だなと感じる

『じゃなきゃ、バケモノが貴方達に襲いかかってしまうかも知れませんから』

えぇっ！？と驚くからまた面白い
今の言葉を真に受けて顔を青くしている

デュースはやはり魔法が使えるからか、はたまた喧嘩強いからかそこまで怖がりはしていない

つまんないの

......まぁからかうのはここぐらいまでにしておこう
そろそろあいつと連絡をとらなきゃいけないから

歩き出して広く長い廊下にコツコツと足音だけを鳴らす

どうせ全部忘れちゃうんだから、好きにやっても許してくれるよね？と誰に言うでもなく笑った

　
　