嘘を固めて【ツイステ】 (ページ19)

今日:21 hit、昨日:0 hit、合計:56,286 hit

碧の感覚ページ19

アズールの手から放たれる雷や炎や氷柱

威力はさほど無いのだがどこから、どんな系統の魔法が放たれるかが全く予測できないため常に周りに防衛魔法を張る必要があるのだが

「ひょお！ほえっ！」

『......ちょっとユウ、変な声出して避けてなくていいから黙って後ろに隠れてて下さい！！』

ていうかお願い！と彼の服を引っ張り寄せる
気が散ってしょうがないんだよ

「でも、先輩に迷惑が＿＿」

『そんなのどうでも良いですから、貴方に傷がつく方が私は嫌なんです』

今初めてこの顔で良かったと思いました、と涙を流す彼にちょっと面倒だと思いつつアズールに向けてお得意の風魔法を特大でお送りする

前方で戦っていたエースやフロイド達も合わせて避けたり魔法を合わせたりしてくれるので
こんな光景を見る日が来るなんて、と思った

皆が協力しているのもこの監督生のおかげ、と思えば自然と笑みがこぼれる

「ぅうう.....やっぱりまた、そうやって皆、みんな僕を虐めるんだ......僕がグズでノロマなタコ野郎だから.....」

相も変わらずグチグチと喋るすっかり姿の変わってしまった彼は頭を抱えて泣き愚図る

何処も彼処も面倒くさい奴らばかり、とそっと溜息をついた、つもりだったのだが

耳がよかったのかたまたまか、アズールがこちらを見てきた。しかも完全に目が合っている

「貴方の.....お前の力を寄越せよぉ......僕に、僕に下さいよぉぉ！！」

バッ、と手をこちらに伸ばしたかと思えば自分の視界がガクンと落ちる

体の中から何かが抜けたような、大気中の重力が無くなったかのような感覚

体内で血が駆け巡り背中から何かが......恐らく魔力やら魔法もろもろが抜けていった

その証拠としてはとてつもない脱力感で立っていられずうつ伏せに倒れた私とその私から出ていったのであろう白い光

個人的には初めてでは無いこの感覚だが
これもしかしなくてもユニーク魔法も取られた？

それはまずい、非常にまずいぞ

周りの声がいつもより聞こえなくなって、ユウが膝をついて何か叫んでいるのも聞こえない

『あ、アズール....ユニーク魔法だけは使っちゃ駄目だ......っ！』

自分の声も聞こえない

それでも何とか言葉を口にするのだが

私の瞳に写ったのは口を大きく開け、叫んでいるのであろうアズールの姿だった

　

　