嘘を固めて【ツイステ】 (ページ15)

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碧の借りページ15

「え、先輩それしか食べないんですか？」

ていうか飲み物と私が手に持つ物を凝視してくる

今日の昼食はコーンスープだ

『足りますよ、それより話を聞かせてくれるのでしょう？』

そうだった、と慌てて席に着く彼を見ながらスプーンでカップの中をかき混ぜる

「寮を担保に取引をして＿＿」

くるりとカップの中でコーンの実が回っている

「三日後の日没までに＿＿」

取っ手を使いカップを持ち上げ口に運ぶ
あったかいわぁ～

「珊瑚の海には行ったんですが邪魔されてしまい、でもアズール先輩のユニーク魔法は分かったので＿＿」

『へぇ、それは凄い』

「それで、今から金庫の中にあるはずの契約書をどうにかしようと」

「そこで先輩の力を借りたいんです！！」

『どうして？』

「もしかしたら何か仕掛けとかがあるかもだし
一年生だけじゃ不安で....」

ふうん、と言ってご馳走様でしたと手を合わせ立ち上がる

「ちょ、先輩＿＿＿

『話は、聞くと言いました』

＿＿＿へ、」

『話を聞くだけという事でしたから、何も手伝うとまでは言ってませんよ？私』

ていうかほとんど知ってる話だし、収穫もなし
いつか金庫にアタックするのも予想済みだっつの

驚く後輩を笑いながらそれに、とつけたす

『私、どちらかと言うとアズール側の人間ですし

情報提供どうもありがとう』

いやぁ、声をかけられた時は予想外だったよ
君の中でそんなに信頼度の高い先輩だったとは

君が来なくても相談に乗るよ的な感じで探りでも入れようと思ってたのに

あんぐりと口を開ける彼を見てしかし、と少し考えてみる

もし彼らが契約を破っても無害
アズールが勝った場合少し仕事が増えるだけで特に目立ったことも無く無害

どちらに転ぶにせよ無害
人間関係にはさして興味無い

....もしやこれはチャンスかも

『＿＿魔法というのは貴方が考えるほど無敵なものではありません』

「＿＿え？」

戸惑う彼に顔を近ずけ口を開く

『これはこの前ジャックくんが助けてくれたことへのお礼です、つまり借りはこれでチャラです』

ついでにさっきの話は報告しないであげますよと言えばぽかんとしたまま頷く

借りは小さく返せるうちに、じゃないと後で大変な事になってしまうから

話は報告しなくてもあちらは分かってるだろうし

どうせなら全部の契約書を燃やしてよね、と思いながら今度こそその場を立ち去った

　