嘘を固めて【ツイステ】 (ページ11)

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碧の尻尾ページ11

「＿＿＿この前の、腕、大丈夫なのか」

『え、腕ですか？はい、特に何も問題ございませんが.....』

なら良い、とあぐらをかいて座る彼がパンを食べ終わりこちらを見る

薄く底光りする百獣の王の翠の瞳が角持ちの彼と似ていて不思議と落ち着く気がする、と目が合った時にふと思う

そうだ、彼だって同じように生きている人間なのだから何も心配しなくていいじゃないか、と

普通に話しかけたって、いいじゃないか

『......レオナ先輩にとってお兄さんはどんな存在でしたか？』

「＿＿何でそんな事が聞きてェんだよ」

『お願いします』

分かりやすく嫌な顔をした彼にそれでも頼みじっとその瞳を見つめる

一瞬息を止めたかと思えば目を逸らしたり頭をかいたりと何やら悩んでいる様子

それでも尚見れば分かったよ、と溜息をつく

「兄貴はいつもお節介っていうか、口うるさかったな。俺が行事とかをサボったら叱りに来たりするし....俺の気持ちも知らねぇで、勝手な奴だよ」

『それでも、近しい人でしたか？』

「あぁ、あんなでも一応は家族だからな」

『もし、お兄さんがレオナ先輩の事をある日突然見向きもしなくなったら、どう思いますか？』

何だその質問、と訝しげな視線をくれながらも彼は答えてくれた

「どうって、清々するって言いたいが....やっぱりガキの頃からいた人だから、少しは嫌、かもな」

そう、ですかと目線を彼からそこらの木々に戻す
かさかさと揺れるそれらが心を落ち着かせる
自然のいい香りを風が運んできて髪が流れる

『＿＿＿ありがとうございます、すみませんでした、突然変な質問をしてしまい』

ホントだよ、と呆れ顔をする彼は地面に寝転がり
まるで話しかけんなとでも言っているようだ
ゆらゆらと揺れる尻尾が面白くてつい口元が緩む

「俺は正直お前が好きじゃない」

『えっ』

突然の告白に私ついていけないんですが
緩んでいた口元が驚きに大きく開かれる
確かに嫌いとかは真正面から言ってほしい派だけどもね？唐突だな

「だが嫌いでもない」

『えっ？』

ただただ困惑なんだが
つまり普通ということでよろしいか？

「だからたまには構ってやるよ、寂しがり屋の王女サマ」

『だっ、誰が寂しがり屋ですか！？』

心外すぎる一言だよ！！この怠惰王子！！
ゆらゆら揺れる尻尾はどこか楽しげで

　

それにさらに腹が立ち叩き起したら凄く怒られた

　

　
　