嘘を築いて【ツイステ】

碧の働き ページ9

『先程は大変お騒がせ致しまして、申し訳ございませんでした』


腰を曲げ頭を深く下げて謝罪の意を込める渾身のお辞儀。王族の謝罪だぞおら。ごめんなさい。


自分でもテンションがおかしくなっていた自覚はあるので本当に申し訳ない今も少しおかしいが



「まぁ、誰にだってそういう時はあるさ。それにいつもとは違う感じが見れて楽しかったしな」


『トレイ先輩、さっきのは忘れてくださいね、
という事で私にもお手伝いさせてください、タルト作り』



まぁ最初からそのつもりで来たのだが
分かりやすく湧く新入生達、そんなに大変だったのかな


いいんですか？と眉を下げ申し訳なさそうに聞いてくる監督生さんにお互い自己紹介しながらやりましょう、と言うと嬉しそうにお礼を言う
うん。可愛いね、君。









それから数十分後、まだ半分近く残っていた栗の皮剥きが終わり裏ごし作業へといくことになった



皮剥きの時に新入生達の自己紹介をしてもらい名前もばっちり覚えた




やんちゃでちょっと失礼だけど憎めないエース・トラッポラ


真面目だけど要領の悪く、でもそこも可愛いと思ってしまうデュース・スペード


とにかく元気で事件を呼び込んでくるのが趣味ですといわんばかりのトラブルメーカーなグリム


大人しくぼんやりしているけど周りを一歩下がってみているお母さん的ポジションのユウ




個性的ではあるがこの学園の生徒をよく知る人物としてはこれが普通に思えてしまう


感覚が麻痺しすぎなのだろうか





私もスカラビアの皆にした説明と全く同じことを
言うとエースが何かを思案する表情を見せるが
それには誰も気付かずに今度は裏ごし作業を






疲労してきたところで裏ごしが終わりさあ生クリームを、という時に材料が足りなくなりユウ達が購買部に買いに行きトレイ先輩とエースと三人になってしまった


適当に話でもして時間つぶしますか、と椅子を用意して座った時にエースが思い出した、という表情をしてこちらに向き直る



「ねぇA先輩。妹っている？この学園に」



『妹......あぁ、いますねぇ〜』



その話もやはりしなければならないか、と思いながら肯定するとやっぱり！と喜ぶ


まぁいずれわかる事だし、とエースに改めて向き直りあまり話したくはないが仕方がない、と思いながら口を開いた


　

　

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