嘘を築いて【ツイステ】

碧の機転 ページ5

寮に戻り談話室で新入生の顔と名前を一致させ、
それが終わってから歓迎会の予定だったのだが


『え、ディアソムニア寮の子が迷子になってここに来た？』


どうりで先程から私一人だけが確認作業をしていると思ったよ、てっきりジャミル達が新手のイジメを始めたのかと若干落ち込んでいたのだけど


迷子を送ってあげるなら一言くらいかけてもらいたかったのだが.....いや、ディアソムニアの子が迷子ってかなり面白いな？



『.....それで、カリムは何処へ行ったのでしょうか？』


「それが.....ジャミルの後を追いかけて行ったんだよ....」



オレも止めたんだが....と、しょぼんとする同級生


大丈夫、カリムは一度決めたら誰の言うことも聞かないのは皆が分かっているから誰も君を責めないから、と励ましておく。おっと、何故泣くのだ同級生よ



それにしても何故カリムが行く必要が？話を聞く限りジャミル一人でも十分だろうに...だなんて気にしていたって仕方が無いのだろう


あの主従は他とは少し、いやかなり違うから



入学初日から新入生をほっぽり出す寮長だなんて先が思いやられると思いつつも彼らしいと何だか安心する


さて、私はそんな彼らをサポートするのが仕事ですから動かねばならない



『そうですね....作業も終わりましたので、私の事を不思議に思っている方も多いでしょうし、説明を聞いていただきましょう』



とりあえず二人が戻って来るちょうどくらいに歓迎会が出来るようにしておこう


先程から犬のようにきらきらとした目で見つめてくる同級生に歓迎会の最後の準備を頼んでおく



好奇の目で見てくる新入生達に楽な姿勢で座ってもらい、私は自分の事について話を始めた


　

　

碧の語り→←設定など（妹追加）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す