碧の葛藤 ページ20
緊張がその場にはしる時、アズールがゆっくりと口を開き話し始める
「貴方は図書室に入り浸る本の虫です
そうなれば当然限定書籍も知っているでしょう?」
.....ぴくっ。
体が少しばかり跳ね、耳がぴくりと動く。
アズールは後ろのでかい人に話しかけたかと思えばある物を私の前に見せてきた
『___そっ、それは!!』
「ええ、貴方が好きだという作者さんの数量限定の本です!!」
渋めのブックカバーに金色のサイン。独特の大きさに分厚さ。紙のヨレ具合、間違いない。あの作者様が出す本の特徴が全てつぎ込まれている
しかもこれは伝説中の伝説、書いてから数年たっているにも関わらず出していない新刊があったという元編集者がもらした情報一つのみでそれ以上の事がどう頑張っても分からなかったこの世にたった三つしかないと言われているもの
『なっ、何故これがこんな...貴方が持っているのですか!?』
高級そうなテーブルということを気にもとめず勢いよくばんっと叩き向かい側に座るアズールへ
どんどん前のめりになりながら捲し立てる
本を手袋をはめた手で丁寧に持ちながら彼はふっと笑いこれが欲しいですか?と聞いてくる
そんなの__そんな
『そんなことは邪道です!かの大人気作者様への冒涜です!!例えそれがどんなに読みたくたって私は私のくだらないプライドにかけて許せないのです!
良いですか?そういうものは自分で苦労して手に入れて読むからこその達成感、喜び、期待!!
それにより一層たのしむことができるのです!!
それを....それをうぁぁぁ!!
なんという所業!!悪魔!貴方は悪魔です!!
分かりました!分かりましたよ!
取引を受ければいいのでしょう!?
受けますからその本をどうかしまって下さい!
私が私でなくなります!!』
勢いよく立ち上がり頭を抱えて苦しむ(精神的)私を見てアズール達はまじか、と言う顔で固まる
彼女がこの件を言われれば取引に応じるというのは予測されていたこと、しかし本はしまえと言うとは
まあ結果的に良いか、と思い直し普通の紙の契約書を手に取り彼女の前に出す
『...はあ、名前をここに書けばいいんですね?』
やっと落ち着きを取り戻したAは大人しく座り契約書に名前を書く
尚きちんと隅々まで目を通している
少々予想外とはいえ負けたAと未だによく分かっていないオクタヴィネル寮の面々
こうして取引は成立してしまったのである
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ぬか漬け(プロフ) - しゃけさん» 良かったです〜!安心しました笑 面白いだなんて言ってくださってもうすっごく嬉しいです!読んでくださって本当にありがとうございます!! (2020年7月27日 21時) (レス) id: 068881a9cc (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - ぬか漬けさん» そうです〜!いえ、読みにくいとか気に入らないとか、そんなことではないので大丈夫です。お話としては面白いから好きですし、ただ単に、理由があるのかなあ…と疑問に感じただけです笑 (2020年7月27日 21時) (レス) id: 9cd1e2c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬか漬け(プロフ) - しゃけさん» 間の文章の最後に「。」をつけないという事でしょうか?それでしたら私のクセ、というのと文字数制限の関係でして、気にならせてしまって申し訳ないです。もし論点が違いましたらお知らせ下さい! (2020年7月27日 20時) (レス) id: 068881a9cc (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - 間のナレーション?なんか第三者語り?みたいなやつに句点をつけないのだけが、本当にそこだけがすごく気になるw (2020年7月27日 20時) (レス) id: 9cd1e2c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あしな | 作成日時:2020年4月12日 20時