ごめんね、大好き。 (ページ20)

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大好き。１７ページ20

in屋上

さっきの流れからの告白。

タイミング悪すぎるよね。

廉「で、なんなん？話って」

咲良「……」

廉「なんで黙るん？(笑)」

咲良「え、あ、うん…。
その…」

なかなか出てこない次の言葉。

向かい合うように立っていて、

廉を見ればすぐ目が合うから、

余計に緊張する。

私は、深呼吸をし、口を開いた。

咲良「廉…あの、ね。
私、ずっと前から廉のこと好きだったんだ」

廉「え…？」

咲良「本当に、ずっと前から。
でも、いつから、って言われるとわかんない。
気が付けば、廉が好きになってた。
いつの間にか廉に惹かれてて、私の中には廉しかいなかった」

言い始めると、さっきの緊張が少し落ち着いた。

それでも、廉と目を合わせられなくて、

自然と廉に背を向け、

屋上の柵の方へ歩いていた。

咲良「一緒の高校行ける、ってわかったときも、凄く嬉しかった」

肘を柵に置き、屋上から見える景色を眺めた。

咲良「でも…嬉しかったのは、私だけで、私の恋は完璧に空回りだった。
ただの夢…。
私の、妄想にすぎなかった」

目から滴り落ちる涙は、紺の制服を濃い色に染めていった。

泣きたくなくて、少し上を観ても、涙が止まらない。

廉「咲良…？」

泣いているのに気付かれたのか、廉が私の名前を呼ぶ。

でも、私は、そのまま喋った。

咲良「…ごめんね、廉。
私、何度も、廉の恋を心から応援しようとした。
でも…できなかった。
苦しくて、辛かった。
廉の想いは、高梨さんに向いている、っていう事実が受け入れられなかった…。
廉を想う気持ちは、消えるどころか、どんどん膨らんでいった」

泣き止むことができない自分が、

それだけ廉のことが好きなんだ、ということを思い知る。

咲良「正直、廉への気持ちが消えるのかわかんない。
ずっと好きだったのに、いきなり諦めるなんてできないと思うし。
でも、このままだと私、ずっと立ち止まったまま。
また歩き出せるように、廉のこと…忘れたいんだ」

そう言って、廉を観た。

いつの間にか、涙も止まっていた。

やっと心の準備ができたんだな、と思う。

廉「え、それってつまり…」

咲良「ごめんね。勝手なわがままで。
幼馴染の縁、切ろう」