大好き。15 ページ18
大吾「高梨さんが告った、ってことは…
『両想い』だった、ってこと…?」
咲良「まぁ、そういうことだよね…。
最初から私には、チャンスすらなかったんだね…」
そう思うだけで、涙が出てきそう。
大吾「チャンスがあったかないかは、わからへんけど、咲良、永瀬を好きになって、何を後悔してる?」
咲良「んー……。
やっぱ…小さい頃から近くにいて、ずっと大好きだったのに、その気持ちは届かなかったことかな…。
今じゃ、廉に本当の気持ちを言えなかったのも後悔してる」
大吾「そんなもんやろ?恋って」
咲良「え?」
大吾「苦しんで、踠いて、ただ我武者羅に誰かを想って。
叶わない恋だとしても、その人を諦めきれなくて。
そして、自分に問う。
『どうしたらこの気持ちがなくなりますか?』って。
でも、苦しい恋だとしても、その想いは大切や。
誰かを想える、って凄いことやろ?
あと一つ、大切なもの。
それは、『勇気』」
咲良「勇気…?」
大吾「おん。勇気。
自分の恋に向き合う勇気。
自分に素直になる勇気。
相手に自分の想いを伝える勇気。
どんな結果だとしても、それを踏み台する勇気」
『自分の恋に向き合う勇気』
そうだ。
私は、逃げていただけなんだ。
廉を傷付けたくなくて、自分の気持ちを言わなかった。
そんなの、言い訳にすぎない。
『廉を傷付けたくない』
じゃなくて、
『自分が傷付きたくない』
だけ。
大吾「ほら、咲良。
もう、どうすればええか、わかったやろ?
あと、一歩。踏み出してみ?」
咲良「…うん…。
大吾…本当にありがとう。
大吾に感謝してもしきれないよ。
本当に、本当にありがとう」
大吾「『ありがとう』は、まだ言ってほしくないなぁ〜」
そう言って、にっと笑う。
咲良「そだね(笑)」
大吾「良い報告待ってまぁ〜す」
なぜか、敬礼をする大吾。
咲良「うん(笑)
行ってきます」
大吾「おん。頑張れや」
大吾を見て微笑むと、図書室を飛び出す。
キーンコーンカーンコーン…
それと同時に、チャイムが鳴る。
これは、2時間目の終わりのチャイム。
タイミングのいい休み時間。
きっと、神様がくれたチャンスだね。
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理央 - 超おもしろかったです!!!また、こんな作品作ってください (2015年10月24日 8時) (レス) id: 957072b14b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西島 まひる。 | 作成日時:2015年6月22日 17時