#183. 絶対的な恋。 ページ37
「もっかい。卒業おめでとう」
「うん……」
「合格も。Aは絶対大丈夫って思ってた」
「うん……」
「何てったって俺が家庭教師してたもんなー、そりゃ受かるよなー」
「フフッ……うん」
「四月からはまた、先輩と後輩」
「うん」
「ありがとな。俺んトコ、来てくれて」
ふるふる首を振って、「私がストーカーしたの」って泣きながら笑った。
「間違ってねぇわ」って先輩も楽しそう。
「……じゃ、そろそろ戻るか」
「え？」
「友達と写真とか撮りたいだろ、俺も先生たちに会ってくるし」
「あ……うん」
すっと離れた体が寂しくて、せめて手を繋ごうと思ったら両手をポケットに入れられてて
ちょっと拍子抜けして花束に目を落としたら、
立ち上がって持ち方を変えたせいで、それまで埋もれて見えていなかった花が、チラリと顔を覗かせているのを見つけた。
見つけてしまった。
……これって。
「……せっ、先輩」
私が気付いたことに気付いたのか、先輩は立ち止まらない。
ドアに手を掛けるのを見て慌てて「待ってってば！」ってシャツを掴んだら、頭を掻きながら振り返った先輩の顔は真っ赤になってた。
花束をそっと、掻き分ける。
真ん中に、きっとわざと埋め込まれていた、一輪の
燃えるように赤い薔薇。
「……あー、俺そんなの入れたっけ」
すっとぼけるにもほどがある……。
耳まで真っ赤になってる先輩の声は、今まで聞いたことないくらい、棒読み。
いっつも。いっつも先輩は、こうだ。
こんなことしてくれなくたって、私はあなたのことが大好きなのに。
どこまであなたを好きにさせたら気が済むの？
また背を向けて、ドアを開けようとしてる背中に飛び付いた。
びっくりして前につんのめった先輩を、力の限り、ぎゅーっと抱き締めて
「……先輩っ、一目惚れしました!!」
Fin.
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琴子(プロフ) - めろん。さん» わぁーおかえりなさい、受験お疲れさまでした!!(遅いか！笑) ただいま絶賛続編書き書きしております、書きながら作者もニヤニヤしちゃう() 月日を経て段々デレデレしてきちゃう先輩の姿を早くお届けしたいな！ 嬉しいコメントありがとうございました(*.ﾟωﾟ) (2019年1月19日 23時) (
レス) id: 41dca15b9a (このIDを非表示/違反報告)
めろん。(プロフ) - 1年前受験生の時にずっと読まさせていただいてました。1年前ぶりに帰ってきてすぐに読んできました！少しずつ変わり始める二宮先輩の行動にニヤニヤが抑えきれませんでした。今頃どうしてるんでしょうか笑続編楽しみに待ってます！ (2019年1月19日 12時) (レス) id: 22a17272cb (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 愛渚さん» わぁ…コメントありがとうございますーめちゃくちゃ嬉しいです( ；∀；)コメントに勇気いるの分かります！ でもいつでも大歓迎、わくわくしながら待っておりますので気軽に送って戴けたら嬉しいですー(*.ﾟωﾟ) 続編、一刻も早くお届けできるよう頑張りますっ！！ (2019年1月8日 10時) (レス) id: 41dca15b9a (このIDを非表示/違反報告)
愛渚(プロフ) - はじめまして。ずっとコメント書きたかったのに、恥ずかしくてなかなか書けませんでした。いつもキュンキュンしながら読ませていただいていました。続編、楽しみにしております！ (2019年1月8日 2時) (レス) id: 83e74fc252 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - かりんさん» 終わってしまいました！！ 最後までお疲れ様です！！！ やーそこまで感情移入していただけて作者冥利に尽きる゜゜(´O｀)°゜ 最高な読者さんたちに支えていただいて完結することができました！ 沢山読んでいただいて、本当にありがとうございます！ (2018年11月5日 18時) (レス) id: 41dca15b9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴子
| 作成日時：2018年9月8日 0時
