09.雨 ページ10
・
『あ、雨…』
江口「A走れる？うち、すぐそこだから」
江口さんがそう言うと、頭に何かがふわっと掛かる感覚。
『…？』
「それ、使って」
どうやら江口さんが自分のジャケットを私の頭に掛けてくれたみたい。
………江口さんの匂いだ
どうしても意識してしまって、顔が熱くなる。
私いま、すごい顔赤くない？
『っ、ありがとうございます』
江口「ん、行こ」
ジャケットでグイっと顔を隠して走る。
どうかバレませんように…！
・
『…はぁ、』
江口「ふぅ」
無事にマンションにたどり着く頃には、2人とも息が上がっていた。
エレベーターで上へあがり、部屋に着くと江口さんが「どうぞ」と扉を開けてくれる。
『…お邪魔します』
江口「好きにくつろいでていいよ」
『あ、ありがとうございます…』
江口さんの部屋は思っていたよりも綺麗に片付いていて、流石と言うべきか、どの家具もお洒落だった。
江口「いやぁ、久しぶりにこんな走ったわー」
『ほんとですね……ていうかジャケット！すみません！私のせいで江口さんがびしょびしょに…』
江口「全然いいよ(笑) Aこそ大丈夫？薄着だから寒いでしょ。シャワー浴びてきなよ」
『いやいや私より江口さんの方がびしょ濡れなんですから！江口さんこそシャワー浴びてきてください！』
江口「俺は丈夫だからいーの。ほら、風邪ひく前に入ってきな」
私は知ってる。
一度こうなった江口さんは絶対に折れないということを。
だから、仕方なく私が折れることにした。
『…それじゃあ、お言葉に甘えて』
江口「バスタオルはそこのやつどれでも使って。着替えはこれ。俺のだけど小さめだから多分大丈夫だと思う」
『ありがとうございます』
江口「ゆっくりでいいからね」
江口さんはそう言うと、ゆっくりと扉を閉じた。
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林檎(プロフ) - 八坂リアさん» すみません！今気づきました(･･;)ご報告ありがとうございます！！ (2022年5月23日 12時) (
レス) id: a3c41f9f76 (このIDを非表示/違反報告)
八坂リア(プロフ) - オ/リ/ジ/ナ/ル/フ/ラ/グが立ってしまっているようですよ…！ (2022年5月23日 8時) (レス) id: 16d5f57960 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎 | 作成日時：2022年5月21日 0時
