世間知らず×2の地方巡り

現実逃避 ページ27

『……………………………はあ……………』

さらに数分後。

ようやく状況を受け入れることに成功した。

レッド？

レッド「………」

未だフリーズ中。

そりゃあね。

幼少期にグリーンからキラキラした目で何回も語られたからね。

グリーンに知られたら…

レッド「………めんどくさいことになりそう」

お、ようやく復活したか。

『それを言うなら僕だってそうだろ…って、ここおくりびやまだよね？』

レッド「…？うん」

重大なことに気がついたと同時に肩に手が置かれる。

ユウキ「A？説明願えるかな？」

後ろにはいい笑顔のユウキくんが立っていたのでした。

……ちょうどいいところに。

『ちょっと助けて』

ユウキ「オレ一応この地方のチャンピオンだから大抵のことはできるけど…」

『実は…』

ｰｰｰｰ説明中ｰｰｰｰ

伝説のポケモンが仲間ならそこまで固まらないと思ったので、ユウキくんには隠し事をせず全て話した。

ユウキ「……なるほど。オレちょっと用事ができたから行ってくる」

レッド「ぼくも行く」

ユウキ「レッドさんがいるなら心配いりませんね。頼りにしています」

レッド「……」ﾄﾞﾔｯ

『待て待て待て』

固まりはしなかったけど思考が変な方向に飛んでいっている。

そしてレッド。

後輩が頼ってくれて嬉しいんだろうけどお前も乗ろうとするな。

あとなんで「ぼくも行く」ってはっきり聞こえる声で言えてるんだよ…

『だから僕が先だっていってるでしょ！』

ユウキ「…そうだな……まずはAからだよな」

レッド「……」ｺｸﾝ

やっぱりそれで収まる場。

いやーちょっとフルバトルしたいですねー。

うちの子絶対負けないけど。

ユウキ「で、レッドさん。フリーザーどうします…？」

レッド「……どうしよう」

一人で考えていたときユウキくんがレッドに話を振っていた。

やめたげて、レッド無口過ぎて喜怒哀楽が伝わりづらいの。

…コホン。

『もう腹括ったら？』

僕だって伝説のポケモン(ラティアス)と旅してるんだし。

そう付け加えるとしばらく黙った後、

レッド「…一緒に行こう、フリーザー」

とぽつりと言った。

ユウキ「？」

あ、伝わってない。

幼馴染みパワーがないと翻訳不可能だからね。

『一緒に行くってさ』

ユウキ「…うん。それがいいと思う」

ユウキくんは優しく微笑んだ。

それを見て、僕の口角も上がっていた。

『…さて、珠盗られちゃったんだけどどうしよう』

ユウキ「え」

割と緊急事態→←バトル後のお約束

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す