続き ページ4
「彩葉ちゃんすごいね。まさか当たりを引いちゃうなんて」
「私もびっくりです」
個室で2人っきりになった私たちは、テーブルを向かい合って座っていた。
「…そういえば、誕生日プレゼント、ストラップで良かったんですか?」
「ん?うん、いいんだよ。彩葉ちゃんとお揃いで嬉しい」
「それないらいいんですけど…」
本人がいいと言うならそれでいいのだが、私的にはもっと豪華なものを送りたかったな。まあ、そんなにお金ないけど。
「でもおれ、わがままだからもう少しプレゼント欲しいなぁ」
「…はい!いいですよ。なんでも言ってください!」
「え、いいの?」
「いいに決まってるじゃないですか。誕生日プレゼントは1個だけって決まってる訳じゃないし」
私もストラップ渡すだけじゃ物足りなかったし。
「そっか!じゃあ…」
名前読んでくれない?
「え?」
「付き合ってるのに、いつまでも犬飼先輩じゃ、寂しいじゃん?おれ的にはすみくんか、はるくんって呼んで欲しいな。あ、敬語も外してね」
「あ、うぅ…」
そうだよね、私犬飼先輩の彼女なんだもん。これくらいしないと、寂しいよね…?
「す、すみくん…」
「…ん?なあに?」
そう聞いてくるすみくんの顔があまりにもかっこよくて、思わず俯いた。多分私の顔は今赤いだろう。
「…犬飼先輩」
「えー、戻っちゃうのー?」
「か、勘弁してください。急には無理です。少し時間を…」
「焦んなくて大丈夫だよ。いつまでも待つから」
今日この日は私が彼女として一歩踏み出せた日になったのだった。
ちなみに私がすみくんと普通に呼べる日がくるのはまだ先の話。
5月9日 烏丸京介 Birthday→←5月1日 犬飼澄晴 Birthday
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作者名:ミケ猫 | 作成日時:2021年5月2日 22時