ヤンデレ乙女ゲームのヒロインに成り代わったけど。【鬼滅の刃】

「煉獄杏寿郎」 ページ7

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嫌な予感がしてハッと目を開けた。布団をぎゅっと握り締めて覗けば、炎を連想させるような髪型に、大きく見開かれた目が此方を向いていた。


出会い頭の正面衝突の様な不幸が私を襲った感覚がした。今日は色々な事がありすぎて重要なことを忘れていた様で。



＿＿何故竈門炭治郎が「包帯」をもって去っていく姿を何故見て思い出せなかったのだろうか。

包帯を借りに来た竈門炭治郎の後から此奴が来る事に＿＿。



妄想型 煉獄杏寿郎
確か此奴はヒロインを助けた命の恩人の男で、ヒロインはこの人に憧れて炎柱の継子になる事を決意する。

これがまた厄介な男なのだ。



「目が覚めて良かった!!」



嬉しそうに口角を上げる彼の上から、先程の竈門炭治郎と同じ様に頭上にメーターと私の目の前にコマンドが出てきた。



▼ 何方でしょうか？

▼ こんにちわ



この選択はどちらを選んでも良しな場合のため、取り敢えず上の「何方でしょうか」を選んだ。竈門炭治郎では無いため、何だか気が軽いが私がビクビクしていることには変わりない。


「えっと、……何方でしょうか？」


「うむっ!炎柱の煉獄杏寿郎だ！」


知ってます。と喉に言いかけた言葉を飲み込んだ。ファンブックにも乗っていたが彼は声がデカい。ここまでとは思わなった。声のボイスの限度を知っているかい?と聞いてしまいたい程だ。



「して、お腹に傷が出来たとはいえ直ぐに目を覚まして良かった!」



「え、っと、」



がしりと肩を掴まれた手を見て困惑する。目の前に顔が来て、凄く緊張して手が汗ばんでいくのが分かった。



「君は鬼に襲われていてな!!腹の傷もその時鬼に襲われた痕だ!!」


「……そして本当にすまないと思っている。君の家族は……救えなかった……」



そう落ち込むこの人には申し訳ないが、

その殺された家族には、成り代わったばかりの私は会ったことも喋った事もない為、どうも思ない



するとポコンっと2つのコマンドが出てきた。


▼ 気にしないで、助けてくれて有難う

▼ どうして


「気にしないで下さい、助けてくれて有難う御座います」


「…君は心が清い。お腹の傷も残ってしまう可能性があると言うのに……」


そう言って煉獄杏寿郎は、さり気なくお腹を服越しからサラリと撫でる。「ひえっ」と、急な事に思わずが出てしまい、彼はそれに眉をピクリと反応させて面白可笑しそうに笑いだした。


「よもや!そんな可愛らしい声が君から出るなんて」


＿＿愛らしいな。

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