手錠は緩めにしてください 2nd

やめてくれ ページ8

※



Aside





「彼の名前っ…この子は…」



「そうだよ。この子は俺と腹違いの妹」



「そう…。Aちゃんって言うのね…本当に、あの人にそっくり…」





あまり、似てるって言わないでほしい



私がお父さんに似てるせいで、お母さんから嫌われるようになったのに





「彼の名前とは大違いね。彼の名前はちっとも、あの人に似てない」



「別にいいだろ…」





ギクシャクした空気。やっぱり二人は仲良くないんだ…





「てかもう部屋から出てってよ…！俺の前から消えろ」



「ちょっ…彼の苗字くん…」



「彼の名前っ!!あなたほんっとうに可愛くない子ね…！憎ったらしいんだから…」



「いいからさっさと出てけよ…！」





怒鳴りながら、彼の苗字くんはお母さんの背中を無理やり押しながら部屋の外へ



…嫌な音を聞いた





ードンｯ……




すごく大きな音



嫌な予感がして、私はすぐに部屋の外へ出た



彼の苗字くんは階段の前に立っていた





「彼の苗字くん…？」



「……」



「ねえ、どうしたの……」





彼の苗字くんは一点をずっと見つめている



その視線を辿ると、最悪な光景だった





…彼の苗字くんのお母さんが、階段から倒れた。頭から、血を流して。





「っ…彼の苗字くんっ、なにしたの…!?」



「…突き落としてはないよ。ただ、母さんがよそ見してて階段から転落した」





なんで冷静なの…？



生きてるのか、死んでるのか、わからない。階段をおりて確認したいけど、首輪のせいで行けない





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