ふたりきり ページ12
※
Aside
「A…A…」
気がつけば眠っていて、彼の苗字くんに起こされた
「着いたよ。降りよう?」
「あ、うん…」
荷物を持って電車を降りると、都会とは違い、建物がない田舎へと来ていた
「ここから少し歩くんだ。疲れたら言ってね、おんぶするから」
「…う、うん」
……本当に、どこに行くつもりなんだろう
手を繋いで、人の気配を感じない建物もない、寂しい道をふたりで歩く
「なんか…不気味なところだね」
「そうだね…熊とか襲ってきたら守るからね」
寂しい道を二人でしばらく歩いてようやくたどり着いた
「ここ…」
山の奥にぽつんとあるお洋風大きな一軒家
「ここ、別荘なんだ。母親に何度か連れてこられたことがあるから、夏休みとか冬休みとかにね。男を家に連れ込むのに俺は邪魔みたいで、よくここでひとりで生活してたんだ」
彼の苗字くんは「入ろう」と言って、私の手を引いた
中に入ると、広い玄関、床はピカピカな大理石
「綺麗なおうちだね」
「そう?長旅で少し疲れたでしょ。お茶でも飲もっか」
リビングと思しき広い部屋に行って荷物を置いてソファーに座った
少しして彼の苗字くんは湯気のたっているマグカップを二つ持ってきた
「はい、ココア。Aはココアが好きだから」
「…!なんで知ってるの…」
「ははっ、なんでもわかるよ」
ココアが好きって、話したっけ…?
「食料は結構あるから。食料庫に色々日持ちするものがあるから当分は大丈夫だよ」
彼の苗字くんはてーマグカッテーブルに置いて、私の手を自分の手で包み込んできた
「ここで二人で暮らそう。もう、邪魔する奴もいないから」
二人で……
あぁ、そっか…本当に二人きりなんだ
近くに家は一切ない。ここに来る道でも、家はなかった。
「Aと二人きりになれたから、俺は満足」
彼の苗字くんは笑った。うっとりと…。
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真昼 - 更新頑張って下さい!続きがとても気になります💕 (2022年6月14日 0時) (レス) @page17 id: 8b68f2738d (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - まさかの兄妹落ち (2019年7月24日 18時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
あかりんご - 凄く面白いです!ヤンデレの中では最高でした^^更新,頑張ってください! (2017年12月29日 22時) (レス) id: e428cd0007 (このIDを非表示/違反報告)
おひなり(プロフ) - すっごい面白い!更新まってます!!頑張ってください! (2017年12月16日 21時) (レス) id: 420ea1d8ec (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - 好きな人の名前入れたっけど、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、やっぱヤンデレは苦手かも、でもすごい面白い! (2017年12月15日 22時) (レス) id: 2b2f636392 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:here | 作成日時:2017年11月28日 6時