場地と幼馴染の姉ちゃん (ページ9)

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07 初恋ページ9

真一郎くんは…沢山の人から尊敬され、慕われる人。

圭ちゃんを通して道場に入門し、そこでマイキーに出会い、エマちゃんや真一郎くんに出会った。

その時の真一郎くんは黒龍の総長。
リーゼントで見た目はあれだし、怖い人達を従えてたけど…。

「どうした？A？」
と言って、私の目線にしゃがんで頭を撫でてくれる真一郎くんが大好きで…。

「傷だらけだな。大丈夫か？」
「えっと…」

大きな掌が私の顔を包み込む。顔がピリッとすると思ったらどうやら切れてたみたいだ。

「…ケイスケ！」
「げ…。なんだよ、真一郎くん…」

犯人は圭ちゃんで、彼の突然の思いつきで始まったチャンバラごっこでこっ酷く叩かれた後だった。

「女に手を挙げるな。絶対しちゃダメだ。」
「でもこいつ男女だぜ？」

言い返す圭ちゃんの頭に容赦なく真一郎くんは拳骨を振るった。

「いってーーー！！」
「ダメなもんはダメだ」

それに…と私を見て笑う。

「女の子の顔に傷つけるなんてのはな、それなりの責任を取らないといけない。」
「？責任？」

そう。結婚するくらいの責任がいるんだぞ。と2人の目線に屈み真一郎くんは言った。

「…圭ちゃんとなんて、ヤダ」
「！…俺だってお前みたいなヤツなんか！」

私に向けて段ボールで作った剣を振り上げる圭ちゃん。慌ててAは真一郎くんの後ろに隠れる。

「結婚するなら真一郎くんがいい…。」

思っていたことを不意に言ってしまい、Aは顔が赤くなる。

「え！？…はは、参ったな…」

困ったように少し嬉しそうに笑う真一郎くん。

「でも、そうだな…Aが困った時は、全力で守るよ」

約束。と指切りげんまんしてくれた真一郎くん。

あれから十年。
昔から、そして今でも真一郎くんは約束を守ってくれた。

私の初恋の人、そして今でもずっと…好きな人。