検索窓
今日:39 hit、昨日:167 hit、合計:876,102 hit

34 ページ37

アリン「ううん、カッコイイよ。私はジアちゃんに脅されて…その事しか考えられなくなってた。あ、はいお茶どうぞ」ニコッ

『ありがとうございます』

お茶はとても美味しい。なのに、どこか寂しい感じがした。

アリン「その傷、どうしたの?」

自分の額をツンツンしながら聞くアリンさん。この人になら言ってもいいよね?

『昨日、ジアさんにバケツ投げられて…』

アリン「まだそんな事してるのか…って大丈夫!?ちゃんと手当した?」

『大丈夫です!もう痛くないですし…』

アリン「そう?…気をつけてね?女の子なんだから顔は特に傷作っちゃダメだよ?」

アリンさんが、優しく微笑むのでなぜか胸がギュッと苦しくなる。
まるで、お姉ちゃんのようで…甘えてしまいそうなんだ…

アリン「…私はね、逃げたの。ジアちゃんから」

『…え?』

アリン「あの時、メンバー達のことなんて考えられなくなってたの。こんなの言い訳かもしれないけど、脅しの内容で頭がいっぱいいっぱいだったの。」

アリンさんは、写真立てを持ってきて泣きそうになりながら話す。

『脅しって…』

アリン「私が家政婦を辞めないと、妹に手を出すって…最初は信じてなかったの。でもある日、お母さんから連絡を受けたの」

張り詰めた空気

ゴクリと唾を飲み込む音でさえ、大きく聞こえる。
そしてアリンさんは、言った…

アリン「妹が…死んだって」

『死んだ…?』

アリン「そう、自分で…だって。でも絶対違うの、あの子はそんな子じゃない…いつも皆に愛されてて…よく笑う子だった…なのに…」

途端、アリンさんの目からは涙が溢れ出た。
私は驚きが隠せなかった…だって…死んだって…

『警察は…』

アリン「沢山動いてくれた…それでも証拠が見つからないの…証拠が見つからないなら、裁判にもかけられない。それに妹はマンションからの飛び降りだったから…」

冷や汗が背中をつたう。

『…それで…家政婦を辞めたんですか…?』

掠れた声で問う。
もう私には、声を出す気力も無かった。

アリン「うん…次は母親だって言われて…私はもう耐えられなかった。これ以上、家族を失いたくなかった…ジアちゃんの家は本当にお金持ちなの。裏社会とも繋がりがあるはずよ…だから…どんな事だって出来ちゃうの…」

なんだそれ…おかしい。おかし過ぎる…

アリン「だからAちゃん、気をつけて…自分の大切なものをしっかり守って…失っちゃう前に…」

35→←33



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (489 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1764人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN , セブチ , 家政婦
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しらこ(プロフ) - はじめまして。面白くて一気に読んでしまいました!パスワードを教えていただきたいです (5月5日 23時) (レス) @page50 id: 017d61e151 (このIDを非表示/違反報告)
濵田妃奈乃(プロフ) - 初めまして!パスワード教えていただきたいです (5月3日 23時) (レス) id: 7d3d26ccae (このIDを非表示/違反報告)
ichi(プロフ) - 初めまして!パスワードを教えて頂きたいです。 (4月13日 9時) (レス) id: 19e2b404c4 (このIDを非表示/違反報告)
くく(プロフ) - はじめまして!パスワード教えていただきたいです! (4月13日 1時) (レス) id: 7ba68955da (このIDを非表示/違反報告)
犬こそ正義(プロフ) - パスワードぜひ教えてください🙇 (4月11日 19時) (レス) @page50 id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すい | 作者ホームページ:http://twitter.com/sui_no_heya  
作成日時:2020年1月9日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。