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アリン「ううん、カッコイイよ。私はジアちゃんに脅されて…その事しか考えられなくなってた。あ、はいお茶どうぞ」ニコッ
『ありがとうございます』
お茶はとても美味しい。なのに、どこか寂しい感じがした。
アリン「その傷、どうしたの?」
自分の額をツンツンしながら聞くアリンさん。この人になら言ってもいいよね?
『昨日、ジアさんにバケツ投げられて…』
アリン「まだそんな事してるのか…って大丈夫!?ちゃんと手当した?」
『大丈夫です!もう痛くないですし…』
アリン「そう?…気をつけてね?女の子なんだから顔は特に傷作っちゃダメだよ?」
アリンさんが、優しく微笑むのでなぜか胸がギュッと苦しくなる。
まるで、お姉ちゃんのようで…甘えてしまいそうなんだ…
アリン「…私はね、逃げたの。ジアちゃんから」
『…え?』
アリン「あの時、メンバー達のことなんて考えられなくなってたの。こんなの言い訳かもしれないけど、脅しの内容で頭がいっぱいいっぱいだったの。」
アリンさんは、写真立てを持ってきて泣きそうになりながら話す。
『脅しって…』
アリン「私が家政婦を辞めないと、妹に手を出すって…最初は信じてなかったの。でもある日、お母さんから連絡を受けたの」
張り詰めた空気
ゴクリと唾を飲み込む音でさえ、大きく聞こえる。
そしてアリンさんは、言った…
アリン「妹が…死んだって」
『死んだ…?』
アリン「そう、自分で…だって。でも絶対違うの、あの子はそんな子じゃない…いつも皆に愛されてて…よく笑う子だった…なのに…」
途端、アリンさんの目からは涙が溢れ出た。
私は驚きが隠せなかった…だって…死んだって…
『警察は…』
アリン「沢山動いてくれた…それでも証拠が見つからないの…証拠が見つからないなら、裁判にもかけられない。それに妹はマンションからの飛び降りだったから…」
冷や汗が背中をつたう。
『…それで…家政婦を辞めたんですか…?』
掠れた声で問う。
もう私には、声を出す気力も無かった。
アリン「うん…次は母親だって言われて…私はもう耐えられなかった。これ以上、家族を失いたくなかった…ジアちゃんの家は本当にお金持ちなの。裏社会とも繋がりがあるはずよ…だから…どんな事だって出来ちゃうの…」
なんだそれ…おかしい。おかし過ぎる…
アリン「だからAちゃん、気をつけて…自分の大切なものをしっかり守って…失っちゃう前に…」
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しらこ(プロフ) - はじめまして。面白くて一気に読んでしまいました!パスワードを教えていただきたいです (5月5日 23時) (レス) @page50 id: 017d61e151 (このIDを非表示/違反報告)
濵田妃奈乃(プロフ) - 初めまして!パスワード教えていただきたいです (5月3日 23時) (レス) id: 7d3d26ccae (このIDを非表示/違反報告)
ichi(プロフ) - 初めまして!パスワードを教えて頂きたいです。 (4月13日 9時) (レス) id: 19e2b404c4 (このIDを非表示/違反報告)
くく(プロフ) - はじめまして!パスワード教えていただきたいです! (4月13日 1時) (レス) id: 7ba68955da (このIDを非表示/違反報告)
犬こそ正義(プロフ) - パスワードぜひ教えてください🙇 (4月11日 19時) (レス) @page50 id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すい | 作者ホームページ:http://twitter.com/sui_no_heya
作成日時:2020年1月9日 1時