トリップ８４ ページ10
消毒液の匂いが鼻につく。
病院とはいえど結構暗いわね。
コンコン、と扉をノックすれば
「はーい、なんっスかー？」
のんきな声が聞こえた。
「失礼…」
扉を開ければ不思議そうにこちらを見る"強欲"のサーヴァンプ・ロウレス。
「？見回りっすか」
今の私はナース服を身にまとっているように見えているはずだ。
初対面な上に今は夜中の2時。服を見れば見回りに来たナースだと思うだろう。
「違うわ」
幻覚をとけばレイピアを手に取る相手。
「…誰っすかあんた」
殺気、動揺、焦りー。
「椿の主人だった人間よ。あなたに聞きたいことがあってきただけよ。敵意はないわ」
そう伝えれば一瞬身構えるも、言葉の意味を理解したのかレイピアが消えた。
「主人…だった人間…？それに、聞きたいこと、て…」
「何故あなた達と椿があのホテルにいたの？」
そう言えば視線が交わった。
「…主人だったんなら知ってるんじゃないっすか」
挑発的な笑み。
「…私には、記憶がないの。椿達が、やりたいことについて、調べてたいの」
「…味方、なんっスか？」
「ええ、目的は一緒だからね」
そう言えば観念したのか何故あそこにいたのか、ポツポツと、話してくれた。
椿に誘拐されたこと、真昼達は自分達を助けに来ていたこと。
ヒガンさんのケータイをつかって交渉していたこと。
お陰で大まかな流れは分かった。
「最後に一つ、聞いてもいい？」
もう一つの疑問をぶつければ、"強欲"は目を見開いて、項垂れ、小さく頷いた。
「…そう…わかったわ、ありがとう…ごめんなさいね、療養中に」
「！？…何も、しないんっスか」
罰せられると思っていたのか意外だ、と言わんばかりの顔でこちらを見てくる。
「何故？あなたがした事に間違いはないはずよ。あの子達だって、殺る側にまわる以上、自分らが殺られる覚悟をもって戦いに挑んだはずよ」
そう告げればぽかん、とした顔でこちらを見てくる"強欲"のサーヴァンプ。
「聞きたいことは聞いた、帰るわね」
再びナースの姿になり、病院を出て、あの部屋に戻る。
「どこいってたの？」
「…なんでいるのよ…」
部屋の電気をつければ椅子に座って笑っている"うざいヤツ"
「君の監視役、俺なの忘れちゃったー？」
バレても知らないよ？とチェシャ猫の様に笑みを浮かべる男に黙れ、と呟いて鞄を机に置く。
「黙っといてあげようか？今回の"外出"について。」
「……条件はなに？」
"うざいヤツ"は楽しそうに笑みを浮かべた。
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霧島沙羅(プロフ) - アニメラブさん» アニメラブ様！応援ありがとうございます！！亀更新ですが、これからも頑張って参りますので応援宜しくお願いします！コメントありがとうございました！ (2017年9月12日 16時) (
レス) id: d11fd893a6 (このIDを非表示/違反報告)
アニメラブ(プロフ) - 頑張ってください！応援しています！！！ (2017年9月8日 9時) (レス) id: 9491c8ca0e (このIDを非表示/違反報告)
霧島沙羅(プロフ) - オレンジキャンディーさん» オレンジキャンディー様！コメントありがとうございます！べルキアのエアギターはCDネタです(*´▽`*)更新楽しみにしていただけるなんてほんとにありがとうございます！！頑張って更新していきます！ (2017年8月2日 10時) (レス) id: d11fd893a6 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジキャンディー(プロフ) - ベルキアのエアギターめっちゃ面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2017年8月1日 22時) (レス) id: 5033a6ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
霧島沙羅(プロフ) - 紫眼鏡*さん» 紫眼鏡様！コメントありがとうございます！！面白いと言っていただけて霧島はもう、死んでもいいくらいです((((。本当にありがとうございました！頑張って更新します！ (2017年7月21日 20時) (レス) id: d11fd893a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧島沙羅 | 作成日時：2017年7月12日 17時
