椿の主人は雲の幹部･第２章【REBORN！×サーヴァンプ】 (ページ4)

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トリップ４０ページ4

突然の事に、椿と武器を交互に見合わせれば椿は大きくため息をついた。

「…それが武器(リード)だよ。」
「へぇ…」

初めて持ったはずなのに、異様に手に馴染んでいる。

クルクルと指で回せば刃物が空気を裂く音。

「切れ味もいいみたいだし、すごく手に馴染むわね…」

円が小さくなったと思えば、私の右腕に手錠のようなマークとなって収まった。

「Aの普通のナイフよりダメージは大きいはずだから、もしもの時は使って」
「わかったわ、ありがとう、椿」

あんなに武器を渡すことを拒んでいたのに…。
今回の件はそれだけ大事であったとのだと実感する。

「よし、じゃあ解散！」

パン、と椿が手を叩けば各自部屋に戻ったり好きなようにしはじめた。

私はお風呂に入りたくて一旦シャワールームに向かおうとすれば椿に首根っこを掴まれる。

「どこいこうとしてるの？A…」
「えっと、シャワーしたいな、と」
「んな怪我して帰ってきて何言ってるの！タオル絞ってあげるからそれで体拭きなさい！」

おかんだ、と思っていれば

「私も、そう思います…。1度見せてください…」

とオトギリに言われ、渋々従うことにした。

部屋に椿も入ろうとしてオトギリに締め出されるのは言うまでもない。

上の服だけ脱ぎ、ベッドサイドに座る。

「包帯…とりますね…」

慣れた手つきで包帯を剥がしていくオトギリ。
オトギリは、看護師、なんだっけ…。

「…あまり、よくはないですね…」
「この程度の傷なら慣れてるわ」
「……困ります…もっと自分を大事にしてください…」

むに、と頬をつねられ引き伸ばされる。

「いた、ごめん、てば」

謝ればすぐに手を離し、包帯を巻き直してくれた。

「しばらく、シャワーは控えてください…Aの血の匂い…困ります…」
「あ、それなんだけど、私の血の匂い、て…どんな匂いなの？」

そういえば、襲ってきた奴らは美味しそうな匂いだ、と言っていた。

「…Aの血の匂いは…すごく甘くて…いい匂いがします。とても、魅力的な香りです。何故、急に？」

そういいながらシャムさんが用意してくれた桶のお湯にタオルを潜らせ、絞ってくれるオトギリ。

「…襲われた時に似たようなこと言われてね。普通の人と違うのかしら」
「確かに、普通の人より、魅力的な香りです…」

タオルを受け取り、体を拭く。
魅力的、ねぇ…。

椿も貧血なるほど飲む時あるし、よほど美味しいのだろう、と手についた血を舐めた。