椿の主人は雲の幹部･第２章【REBORN！×サーヴァンプ】 (ページ25)

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トリップ５９ページ25

【椿side】

「この度はリヒト・トドロキの来日コンサート。実現して頂き感謝します金剛さん」
「いえいえご期待に添えられて何よりです」

ソファに座る初老の男性に笑いかける。

「財団会長様のお力は流石ですね」
「ははっとんでもない！あなたがこれだけご執心とは…彼の将来が非常にたのしみですなぁ、椿さん」
「そうですね」

ふ、と笑い早死にしなければ、と付け加える。

適当に相槌をうち、キリがいいところで時間であることを伝え、足早にロビーの方へいく。

「ここのお膳立てが一番面倒だったなぁ…」

幻術をとき、いつもの和服へと戻る。

「じゃあ後はよろしくね、僕クラシックには興味ないから」

後ろでべルキアがつまらない、と言っているが、やるべき事がある。

例の件と、最近僕らの嗅ぎ回ってる傲慢の下位吸血鬼達を蹴散らしに行って

Aを襲った奴らも灰塵にしてやった。

時刻はまた21時過ぎ。

コンビニによりダッツを買おうとアイス売り場にいく。

「ない…」

いつものカップのダッツがない。
んー、でもアイスの口になってるしなぁ…

仕方がないので棒付きアイスを買ってホテルへ戻る。

アイスを食べながらみんなの帰りを待つ。
何か、胸騒ぎがする。

ガチャ、と扉が開く音がし振り返れば、ボロボロの人形の姿となったべルキアとシャムロック達の姿。

シャムロックが膝をつき、報告した言葉を、理解するのに少し時間がかかった。

「ほぼ全滅…？」
「ホールに入った者はほとんど…」
「つばきゅんっロウレスやけに強かったよォ～」

ムカつくよォ～、とボロボロの姿で泣くべルキアに涙を流しながら謝罪するシャムロック。

「地下ホールが仇になったね…」

アイスが溶けて床に零れ落ちていく。

「……そうか…みんな…悪かったね…」
「若！全て私の作戦ミスで「いいんだよ、君達は気にしないで。認識が甘かった、僕の失態だね」」

つぅ、と頬を伝っていく涙。
たくさんの家族が、…殺されてしまった…

急がねば、と思ったから…

「"ヒガン"が戻るまで待つべきだった…。」

そっとグラサンを外し

「ごめんね…僕の家族達…」

本当にごめんね、と心の中で呟いた。

ー深夜ー

「いーまーかーらホテルを出るっスよー、とオケっ」

廊下にいる兄さんに声をかける。

「こんばんは5番目の兄さん。今夜のコンサートは面白かったかい？」
「は…？嘘…」

刀を取り出し、笑いかける。

「君は…灰塵を吐かせるだけじゃあ…済まないな？」