トリップ２０ ページ25
「…戻ったわよ、椿」
扉をノックし、呼びかければ中へと引き込まれる。
「椿…？」
「血、ちょうだい」
後ろで鍵が閉まる音
「良いけど、明日も学校だから程々に、ね？」
頭を撫でながらそう囁けば首筋にちくり、と傷みが
「ん、」
「ごめんね、A」
理性が持ちそうにない、と言われ、反射的に拳が飛ぶ。
が、予想されていたようでその手を掴まれベッドへと押し倒された。
「ちょっ、と…椿…っ」
足掻くが、吸血鬼の力に勝てる訳もなく
「…だめ？」
そんな風に言われれば諦めるしかなくて
「……次から欲しくなったら我慢しないで定期的に言う事。いいわね？」
我慢するからこうなるのよ、とそっぽを向く。
「ありがとう…A…」
耳元でジュル、と音を立てて吸われ顔が熱くなる。
「美味しい…？」
出来心で聞けば
「美味しいよ」
何とも辛そうな顔で返事が返ってくる。
「今回だけ許す。好きにしな」
んな顔して言われたら、我慢しろなんて言えなくて
ゆっくりと目を閉じた。
【椿side】
酷く、喉が渇く…。
久しぶりだな、この感じ。
扉をノックする音と
「…戻ったわよ、椿」
Aの声。
扉を開けて抱き寄せる。
「椿…？」
「血、ちょうだい」
扉に鍵をしめながら首筋にキスをして血をねだる。
「良いけど、明日も学校だから程々に、ね？」
頭を撫でながらそう囁かれ、理性が飛かける。
首筋に牙で傷をつければ甘い味が口に広がった。
「ん、」
理性を持っていかれないようにしようとするも体は血を求めるわけで
「ごめんね、A」
理性が持ちそうにない、と呟けば拳が飛んできた。
そんなの予想通りでその手を掴みベッドへと押し倒す。
「ちょっ、と…椿…っ」
逃げようと身をよじるが、吸血鬼の力に勝てる訳もなく
「…だめ？」
と囁けば抵抗を辞めるA。
「……次から欲しくなったら我慢しないで定期的に言う事。いいわね？」
我慢するからこうなるのよ、とそっぽを向きながら呟くAが可愛らしくて、笑みがこぼれる
「ありがとう…A…」
ジュル、と音を立てて吸えば恥ずかしいのか頬を赤らめた
「美味しい…？」
そんな顔しないでよ
「美味しいよ」
本能に持ってかれそうになりながら呟けば
「今回だけ許す。好きにしな」
と不敵な笑みを浮かべるA。
気がつけばAはグッタリとしていて肝が冷えた
「A「すぅ…」…寝てるだけか」
すやすや、と寝息を立てるA
あぁ…
「愛おしい…な…」
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作者名：霧島沙羅 | 作成日時：2017年6月2日 14時
