トリップ１７ ページ22
「てことは、ヒーローみたいなやつか」
「ちょっと違うかな、ヒーローは命までは奪わないけど、私達の場合、必要に応じて命も奪う事がある」
「必要に、応じて？」
「そう、たとえば、私達のファミリーや、その傘下や同盟を結んでいるファミリーに害をなす者、とかね」
冷めてしまったチャーハンを1口食べる。
冷めてても美味しいわね。
「なるほど、な…」
「ねぇ、真昼。あとさ、一つ気になったことがあるんだけ」
そろそろ本題へ入らないと、椿が待ちくたびれてるはず、と思いながら怠惰を指さす。
「クロ、て……猫ちゃんと同じ名前だし、似たような鈴付けてるけど…もしかして、猫ちゃん、だったりするの？」
「え、」
真昼が困ったように怠惰を見、怠惰は一言
「向き合えねー…」
と呟いただけであった。
「あ、あのね、真昼！真昼が、さっき私が話したこと、内緒にしててくれるなら！猫ちゃんが妖怪であれ何であれ秘密にしておくよ？」
私の件は黙っててもらえると助かるなぁ、とぼそっと呟けば真昼は観念したのか、クロが怠惰の真祖であることを打ち明けてくれた。
「なるほど…猫ちゃんは吸血鬼だったんだね…」
手乗りサイズになった怠惰と猫じゃらしで遊びながら呟く。
「真昼のやつ、俺の扱い酷いんだぞ…」
「動物虐待はどうかと思うよ？真昼」
「虐待、てしてないよ！？」
他にもサーヴァンプも今度紹介する約束と、特訓に付き合う約束をし、私は真昼の家をあとにした。
少し離れたところで下駄の音がする。
「ごめんね、お待たせ、椿」
「ダッツ2個ね…偉く長居してたね。」
不機嫌そうに顔をしかめダッツを要求してくる椿。
私の隣に並び、傘を持ってくれた。
「で、どうだったの？」
「んー、暗殺部隊、てバレたけど、なんとか入り込めた感じかな…。」
むしろそれをきっかけに体術についての特訓に付き合う事となった、と伝えれば椿はふーん、と呟くだけで。
「まぁ、上手くいったならよかった…」
そう言って柔らかな笑みを浮かべ頭を撫でてくる。
「ん、…ちょっとでも役に立てるように頑張るわ」
「でも無理はしないでね？」
「わかってる」
その後近くにのコンビニへ寄り、みんなの分のアイスと椿のダッツを買って帰った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霧島沙羅 | 作成日時：2017年6月2日 14時
