トリップ１５ ページ20
「いいじゃん？楽しもうよ一緒にさ〜」
「ちょうど雨だし近くまで送っていくよー？」
目の前にファミレスがあるっていうのに、絡まれてめんどくさい。
もう既に7時半頃だ。
「急いでるんで通してもらえますか？」
イラつきながらそう言えばにやにや、と下卑た笑みを浮かべる。
「いいよねー、こういう強気なの」
「あそこに黒い車あるでしょ？あれ俺のダチのだから乗ってかない？」
鬱陶しい…。
無視して無理やり通ろうとすれば傘を捕まれ投げ捨てられる。
「あっちょっと！！」
「あーあ濡れちゃったねーっタオル貸すよー？」
下品な笑いに顔が引き攣るのがわかる。
「ほら、こっち来いよ！」
ぐいっと引っ張られ、車の方へと2人がかりで連れていかれそうになる。
「やめて…ってば！！！」
一人の手を振り払い、まだ捕まっている左手の男に膝蹴りを食らわせ、踵おろしを食らわせる。
「えっ」
「まずは、一人」
慌てる男の鳩尾に思いっきり拳を沈めてやり、足払いをし、後ろへこけさせる。
「Aー！！大丈夫か！？」
真昼がファミレスから駆け寄ってくる。
え、まさか、見られた！？
「こい、つ…！」
「A！後ろ！」
言われなくてもわかってる。
後ろに飛んでナイフを避け、背中に飛び蹴りを食らわせてやった。
ぽかん、と口を開けこちらを見てくる真昼。
車からスタンガンを持った男が見え
「真昼じっとしてて」
そう呟いて車目掛けてナイフを投げる。
真昼の顔すれすれをナイフが飛んでいき、スタンガンに突き刺さる。
「ひぃ…っ」
情けない声を上げて逃走していくのを見ながら番号を控えておく。
「真昼、大丈夫？」
固まってしまっている真昼の目の前で手をひらひらさせると、ガシッとその手を捕まれる。
「今の何…！？てか、A、て…何者…？」
「真昼…風邪ひくぞ」
傘を持った水色の髪の男の人が傘を持ってこっちにかけてくる。
「暗殺部隊に所属してるだけだよ。」
「はぁ！！？」
「あ、嘘、違う！！忘れて…！！」
違う違う違う違う違う！！！
当初の予定と大幅に違う…！！
「てかA、口調…」
「へ！？あ、な、な、なんのことデスカ？？」
あぁぁぁぁあ、あのクズ共のせいで予定が大幅に狂った上にミス連発してるぅうう
「いや、今更遅いよ！？とりあえず、風邪ひくし、うちに来るか？」
「や、大丈…くしゅっ」
大丈夫と言おうとすればくしゃみが飛び出し、風邪ひくから寄って帰れ、と真昼に説得され、お邪魔することとなった。
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作者名：霧島沙羅 | 作成日時：2017年6月2日 14時
