椿の主人は雲の幹部【REBORN！×サーヴァンプ】 (ページ13)

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トリップ１０ページ13

いつの間にか集合した家族達にゆったりとした口調で語り出す。

私の過去を

『昔々、イタリアの小さな島、シチリア、という島に住む女の子がいました

彼女はいつも父親に殴られていました

彼女に母親はいません。父親は怒鳴りましたその体で金でも稼いでこい、と

彼女はその時は５歳でした』

狐の姿のまま椿がこちらを見上げる

『彼女は、その夜、言われた通り、稼いできました。

父親は聞きました、こんな大金、どうやって稼いだ、と

彼女は答えました。

人を殺して、金を得た、と』

薄らと笑みを浮かべる。

『誰を殺した、と父親は彼女に言いました

彼女は笑って答えました

お前だよ、と

そう言って彼女は父親を殺しました

彼女の父親はとある男から怨みを買っていました

その男は娘に罪を擦りつければ、と思い、彼女に殺害を依頼したのです

ですが、彼女の手により、亡きものとされました

彼女は人が嫌いでした

自分の父親、事件が起きるまで、見て見ぬふりを続けた周りの人間、全ての人を、憎んでいました。

その時彼女は思いました

"嫌いなものは消してしまえばいい"、と

また彼女は人を殺すことで金になることを覚えてしまいました

それが、彼女の仕事の始まり

5年間、なんと彼女はなんの知識もなく、誰からの力も借りずに、たった1人で、人を殺し続けながら、生活をしていました

そんなある日、彼女の元にこんな依頼が飛び込んできました

とあるファミリーの息子を殺せ、と

彼女は怖いもの知らずで、無知でした。』

無知で、怖いもの知らずの馬鹿な子供だったよね、と思う。

『そのファミリーはなんと、イタリアの最大手マフィアグループだったのです

もちろん失敗しました

彼女はターゲットの姿を見ることすら出来なかったのです

当時彼女は10歳

彼女に救いてのを差し伸べたのは

自分が殺そうとした相手

暗殺部隊のボスでした

こうして彼女はボスに拾われ言われました

"強くなれ、俺を殺してみろ"、と

当時の彼女は無性に悔しくて

毎日毎日、血の滲むような努力をし

幹部にまで登りつめ

彼女はボスへ忠誠を誓いましたとさ

めでたしめでたし』

紅茶を一口飲み、おしまい、と呟いた
静まり返った部屋で私は続けた。

「私は、今も、人間が嫌い

あ、ヴァリアーの人たちは好き

それに、椿達の事も好き
見ず知らずの私を助けてくれた

だから、今度は椿の力になりたい
それが、今の生きる意味だから
私も、椿達がやろうとしてる事に加えて欲しい」