わんこ系とにゃんこ系【男主】

にゃんにゃん Ｏ８ ページ8

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『 は、ちょ待って？何で、泣くの？！ 』
「 っもう嫌、 」
『 い、一ノ瀬？ 』
「 ………っせんせーは俺が嫌い？ 」



…………結局何も答えてくんないじゃん。
イエスもノーも言わず俺の前で立ち止まっているだけ。

溢れる涙で世界が歪んで、もういっそのこと消えてしまいたい。
どうして俺を見てくれないんだろう。
どうしてこんな気持ちにならないといけないんだろう。

やっと幸せになれたと思ったの、俺だけ？



「 いっつも、俺ばっかり余裕ないし、俺ばっかり好きって言ってるし、俺ばっかり、………苦しい 」
『 ……… 』
「 せんせーにとって俺は必要？分かんない、伝わらない、ねえ、せんせ……っ、」


『 …………っあーもうっ！ 』


その瞬間、ふわりと香る俺の大好きな人の香りに酔いしれた。
やっと、抱き締めてくれた。

そうだこの感覚。
…………俺がずっと求めていたもの。欲しかったもの。


『 あー、参ったなあ 』
「 うあ、 」
『 一ノ瀬に泣かれると調子狂うってこと 』
「 せん、せ？ 」
『 ………でも、正直ほんとは凄い嬉しいんだよ。
お前が俺に弱さを見せてくれて 』


『 だって一ノ瀬ってなんか扱いずらいし、変なとこで強がりだし、何考えてるか分かんねえから…………ずっと我慢してるんじゃないかって凄い心配だった 』
「 せんせえ…… 」
『 あ、それに！お前ばっかり苦しいって何それ 』
「 だって、俺ばっかり嫉妬してるし、」
『 勝手に決めつけて一人で抱え込んでんじゃねえぞバカ、……俺だって余裕ない 』
「 んっ、」


甘く、甘く、蕩けてしまいそうなくらいくらくらする甘いキス。
それだけで満たされてしまうほど俺の心は単純で馬鹿らしい。

………ほんとはクールなんかじゃない。
せんせーの前では愛情表現くらいしたいし、溢れる好きを伝えたい。甘えたい。
数え切れない程したいことが沢山ある。


『 お前が、相川と話してるとこ見る度いっつも胸が苦しくなる。けどやっぱりそんなのかっこ悪いから、平然を装ってるだけ、』
「 ………俺と同じ気持ち？ 」
『 ま、そーいうことにしとけ 』


ほんとに単純で馬鹿だけど、やっぱり好きだなって、思ってしまった。


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