わんこ系とにゃんこ系【男主】

わんわん ２５ ページ25

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あー。面白くない。
なんなの、このガキ。


「 ねえ、怖くないわけ？ 」
「 なにが？ 」
「 ………あんた、自分の状況分かってんの？ 」


私がこんなことをしているのがあの人にバレたらきっと今度こそ嫌われる。
いやもう嫌われているから別に良いんだけど。


これは私の最後の悪あがきなんだから。

だって、あの人が私を見てくれないのが悪いんだもの。



「 おねーさん、今どんな気分？ 」
「 ……それ縛られてるあんたが聞くの可笑しいでしょ 」
「 罪悪感とか感じてる？ 」
「 …………なにそれ 」


そんなの感じてたら、好きな人の恋人拐ったりなんかしない。

……あの時は、少しは感じていたかもしれないけれど。



「 へー。」


目の前のガキはつまんなそうに吐き捨て、そのまま黙ってしまう。
………私、生意気な子ほんと嫌い。


だから、貴方もきっとあの子のようになる。
私がそこまで貴方を堕としてあげる。



「 A先輩の恋人って聞いたからよっぽどの子なのかと思っていたけど、ほんと可愛くないわねあんた 」


こんな奴より絶対私の方が良いのに。
貴方の事をこんなに想っていて一途で可愛い。

私より良い人なんて居る？居るわけない。
だからこそ自信があった。


絶対私を選んでくれるって。



「 なのに、なんで？ 」


一度だけ貴方に嫌われてしまったけど、それでも私は貴方を思い続けてる。
貴方に釣り合う為に容姿だって大人っぽくして、
性格だってほら、こんなに良いじゃないの。

ねえなんで？何が足りない？？もっとお金を掛けろっていうの？？それで貴方の目に一瞬でも入り込めるくらいにはなる？？



「 醜いですね」
「 ………何ですって？ 」
「 別に。俺は単純に必死にせんせーに好かれようと踠いてるあんたを醜いなって思っただけだけど？ 」
「 っ煩いわね！！あんたに何が分かるの？！？！ 」


好かれてる人間は、余裕を持ってそんなことを悠々と言える。
…………ほんとムカつく。殺したい。

私はあの時からこんなに頑張っているのに、急に出てきた奴に盗られるとか、一番気に食わない。



「 結局は自分の実力不足ってことでしょ 」


馬鹿にしたように笑った其奴に私はとうとう手を上げた。


図星だったから。


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