ぼくのだいすきなおねえさん【桃】 (ページ13)

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「どうですか？」

『 ……え？あ、美味しい、です』

どうしてこうなったって？
……………そんなん私が教えて欲しい。

「へへ、夢みたいや、」

私の目を真っ直ぐ見つめてうっとりしてるこの男。
思わず目を逸らした。
………本人曰く、あの、のんちゃんらしいけど私はまだ全然信じてない。ああ怖い怖い。やっぱ私ころされるんちゃう？

『え、えっと、貴方は？』

「やからさっき言いましたやん！
小瀧望！！のんちゃんですぅ！！」

『いや〜〜〜やって、そんなこと有り得へんし、』

私の知ってるのんちゃんは、とにかく可愛くて私より背が低くて、あの無邪気なのんちゃん。

しかもあれは確か約10年前以上前のこと。
実際こんな出来事がなければわたしも思い出してないし、完全に忘れとった。

それとも、こんな高身長のイケメン友達に居ったかなあ。
いや居ったら絶対覚えてるはずやもん。

「あの、僕ずっと探しとったんです。

"Aおねえさん"のこと」

『っ、』

「あ！やっと信じてもらえました？！
会えて嬉しいです。Aさん」

『信じたっていうか……… 』

信じたくないけど、話の流れ的に君がのんちゃん以外の何者でもなかったらただのヤバいやつやもんな。

後、Aさんって呼び方なんか、かゆい。

『悪いんですけど、お引き取り願いますか？』

「は！絶対いーや！やっと捕まえたんに、」

『いーや、って子供か…………
えーと、私付き合ってる人居るんよね』

「っえ、居るんですか？いつから？どんな人？
俺よりイケメン？俺より優しい？俺よりAさんのこと好き？」

『 ……………ごめん嘘です。近い』

テーブルに手を付いて前のめりになって問い詰めてくる彼にタジタジになるわたし。

…………なんで私が押されてんねん。

「もービックリさせんといて下さいよ！

そんなん、心配せんでも俺が貰ったりますやん」

彼は爽やか笑顔でそう言って、

私の口の端についたソースをチュッと舐めとった。

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