第28話 ページ28
ベルクーリ『こりゃあ何と....暗黒神ベクタとやらは
ずいぶんと嬢ちゃんにご執心のようだな』
ベルクーリ『全軍で追っかけてくるらしいぞ』
A『喜ぶべき、なのでしょうね。少なくとも
無視されるよりは遥かにましです』
ベルクーリ『それで、今後の方針だが....基本的には囮部隊の
整合騎士4人の最後のひとりが倒れるまでーー』
ベルクーリ『ひたすら敵軍を引っ張り、数を削いでいく
ということでいいんだな』
A『私はそう考えています』
A『すでに侵略軍5万のうち半数を殲滅し、また最も
やっかいと思われた暗黒術師隊もほぼ掃討しました』
A『あとは敵主力たる暗黒騎士と拳闘士を
ある程度損耗させ....』
A『そして暗黒神ベクタさえ倒せば、残る敵が
作戦交渉に乗ってくる可能性が高いと思います』
ベルクーリ『うむ....問題は、その時敵軍のアタマが
誰になっているのか、ということだな』
ベルクーリ『シャスターの小僧さえ健在ならな....』
A『小父様は、暗黒将軍がすでに死んでいると?』
ベルクーリ『ああ、敵軍の中に気配を感じない....
もしや、とは思ったんだがな』
ベルクーリ『今は、シャスターの地位を引き継いだ暗黒騎士が志も
受け継いでいることを祈るのみだ。のぞみ薄だが....』
A『薄いですか』
ベルクーリ『うむ。このダークテリトリーに生きる者たちは
禁忌目録のような成文法は一切持たない』
ベルクーリ『あるのはただ、強者に従うという不文律のみだ
そして....残念ながら暗黒神ベクタの心意は圧倒的だ』
ベルクーリ『青二才の騎士なぞでは、とても抵抗できまい....』
A『....確かに、恐ろしく冷たい、底なしの暗い気配でした』
A『神に逆らおう、などという者がそうそういる
とも思えません』
ベルクーリ『とはいえ、我らが人界には嬢ちゃん、キリト、ユージオ
と3人も現れたわけだしな』
ベルクーリ『この地にも、気骨のあるヤツらがいることを
願おう』
レンリ『報告します、騎士長閣下!』
レンリ『この先1キロほど南下したところに、待ち伏せに
利用可能と思われる濯木地帯が広がっております!』
ベルクーリ『よし、偵察ご苦労
全部隊に移動再開の準備をさせてくれ』
ベルクーリ『....お前さんの飛竜はそろそろ疲れているはずだ
たっぷり餌と水をやっておけよ』
レンリ『はっ!』
ベルクーリ『....ふっ』
A『小父様?』
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作者名:シオ | 作成日時:2021年5月30日 16時