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｢雷蔵先輩は乱暴になんて抱きませんから、やさしく手解きしますよ僕が｣
急激に声音が優しくなった。先程の冷徹なまでの低く冷めた声音と違い、慕わせた慈愛の籠った声を出し、雷蔵を見つめた。そんな甘い声に砂糖を吐きそうになりつつ聞き耳を立てている全員が雷蔵の返事を待っている。
雷蔵はその緊張もあってドッドッと信じられないくらいの速さで心臓が早鐘を打っていた。
凪彦はそっと視線を逸らす。先程と打って変わって今度は軽い印象の声で話し始めた。
｢ちなみに、今先輩が僕の告白を断ると｣
立ち上がった凪彦は手を伸ばして三郎の首に貼られたガーゼを思い切り引き剥がした。三郎はいきなりのことに反射的に｢痛っ！｣と苦痛の声を出す。
ガーゼが覆っていた首筋にくっきりと歯型の痕と噛まれたせいで出来た赤い傷跡と紫の鬱血痕があって、やけに痛々しく五年の目には写った。
｢三郎を手酷く抱きますけどね｣
誰もが恐い顔だと思った。勘右衛門なんて、委員会室であった西園寺凪彦はこんな人間なんかじゃなかったぞ。もっと優しかった。何かが取り憑いてるんじゃないかとさえ考えていた。ガーゼが固まった血と一緒にカサブタを持っていったのか三郎の首から血が再び流れ落ちる。
雷蔵はそれを見てサァッ…と顔を青に染めた。
｢僕と付き合ってくれますよね？｣
瞳孔が開いた眼光に睨まれる。雷蔵は頭がグルグル回転し悩み癖のある自分でも驚くほど早く思考した。
ここで自分が断ってしまったら自分の片割れともいう三郎がもっと手酷く抱かれてしまう。でもここで凪彦との交際を了承したら自分が抱かれてしまう。
至って趣向はノーマルタイプだし、いや、でも三郎がこうやって傷つくのは見ていられないし…。
唇を戦慄かせて雷蔵は口を開く。
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墺士(プロフ) - 夜ながながさん» コメントありがとうございます！応援よろしくお願いします🤍 (12月11日 13時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
夜ながなが(プロフ) - 続編おめでとうございます！そしてありがとうございます！とても大好きな作品です🫶🏻💖これからも応援しています！ (12月11日 12時) (レス) id: ebecf52502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：墺士 | 作成日時：2023年12月11日 10時
