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｢わっ…｣
凄い。藤内は脳内に立花仙蔵先輩を思い浮かべた。
作法委員会委員長である彼も女装は上手で、あっという間に変装するが、凪彦と仙蔵とでは何か違ったものを感じる。
｢カズミ、トウコ、刀を持っていてくれないか？｣
｢はい！｣
嬉しそうに武器を持った二人を見て、今は少女の格好だが、やはり男の子だなぁとクスリと笑った。
凪彦は群がる女性の元へ早足で向かい、嫌々様子を伺う。
女性達は、タカ丸と元から交流があった人達のようで、忍術学園に通うことになったタカ丸となかなか会えないので、久しぶりに顔を見せたタカ丸へずいずいと詰め寄っているようだった。
しどろもどろしながらも華麗に女性達を受け流すタカ丸を見て、くのたまに追いかけられていた日々は無駄では無かったなとは思った。
しかし逃げられないじゃあ意味が無い。
｢ご、ごめんね今から従妹と町を散策する約束なんだ…っ｣
｢別にいいじゃない、放っておいても大丈夫でしょう？｣
｢それよりタカ丸くん今まで何処に行ってたのよ｣
あらま…。押しの強いお姉様方はタカ丸の事情も無視して自分本意に尚もタカ丸へ詰め寄る。
｢えっと……その、僕マコちゃんと約束しちゃったからさ、ごめんね今日のところは……｣
その言葉を聞いて凪彦は満足した。
何故ってタカ丸が孫兵のことをちゃんとマコちゃんと呼んでいたからだ。
孫兵なんて呼んでいたらジャーマンスープレックスでもお見舞いしてやろうと考えていたのだ。
凪彦は吹き流しを綺麗に整えてちょうど良いタイミングで渾身の鈴のような綺麗な声を出した。
｢タカ丸さん｣
凛とした声は想像より遥かに辺りに響いて、一瞬女性達の声が止んだ。
タカ丸も聞きなれない声に何処の誰の声なんだろうと辺りをキョロキョロした。
｢タカ丸さん｣
少しドスの効いた声に人垣が割れた。
｢何をしていらっしゃるの？婚約者を置いて｣
その一言でザワりと辺りがざわめく。
タカ丸はなんの事か分からずに口を半開きにしたまま惚けた。
｢マコと私を放ったらかしにして…なにをしていらっしゃるのかしら？｣
｢えぇっと……？｣
芯の通ったハキハキした声と洗練された一挙手一投足は誰の目も離さず虜にした。少し傷の付いた細い指がタカ丸の頬へ触れた────。
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墺士(プロフ) - 夜ながながさん» コメントありがとうございます！応援よろしくお願いします🤍 (12月11日 13時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
夜ながなが(プロフ) - 続編おめでとうございます！そしてありがとうございます！とても大好きな作品です🫶🏻💖これからも応援しています！ (12月11日 12時) (レス) id: ebecf52502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：墺士 | 作成日時：2023年12月11日 10時
