2-㊱ ページ36
｢ほらぁ作兵衛怒っちゃったじゃん｣
再び喜八郎の言葉を聞いた凪彦は目を細めて低い声を出した。
｢喜八郎｣
｢ん？なに？｣
｢今実習中なのは分かっているな？｣
｢……………うん｣
｢俺が言いたいことは分かるか？｣
｢……うるさすぎた？でも煩くしたの僕だけじゃないじゃん｣
｢違う！どいつもこいつもふざけているのか？何年変装術や妖者の術をやっているんだ｣
机をバンと音を鳴らして叩いた。
｢名前がすこぶるダサいんだよ！！！｣
次いで発されたセリフに作兵衛と喜八郎だけが目を瞬かせた。滝夜叉丸と三木ヱ門は不貞腐れたようにそっぽを向く。
｢いや、ダサいは失礼だな。ダサくは無いぞ、富松｣
流石に実名をダサいと言うのは失礼千万。直ぐに訂正をする。
｢聞くが富松。まさかとは思うがずっと作兵衛だなんて呼ばれてた訳じゃないよな？さすがに町中では女性名で呼んでいただろう？｣
｢いえ！ずっと作兵衛呼びでした！｣
凪彦の剣幕に恐れを慄いたのか作兵衛は青い顔をして早口にそう告げる。凪彦は作兵衛の様子にはぁ〜〜〜と深いため息を吐くと、喜八郎の頭をスパンと叩いた。
叩かれた喜八郎はブスッとした顔をして、作兵衛はそれをみてあわわわと口を震わせて心配そうにした。
作兵衛の隣へ席を移動した凪彦は彼の頭を撫でる。
｢お〜よしよし、私が可愛い名前をつけてあげよう……｣
｢えぇ！？そんな畏れ多い！｣
｢良いじゃん作兵衛、凪先輩に付けてもらえば？｣
隣に座る三之助が作兵衛のほっぺをつんつん啄いて言う。
｢俺も先輩につけてもらったし、左門も｣
｢はあ？｣
｢ねぇ？凪先輩｣
｢あぁ、名前は大事だぞ。名前を変えるだけで本当の自分以外になれる。まったくの、別人に…｣
目を細めて笑った凪彦を作兵衛は口をポカンと開けて見上げた。凪彦はそんな作兵衛の弁柄色の髪の毛をサラリと払う。
｢そうだな、作兵衛だから…サクラなんてどうだ？｣
｢へぇ〜いいじゃん可愛くて｣
｢あっ、ありがとうごぜぇやす！｣
｢サクラはもっと女の子らしく振る舞うことを学ばなければな｣
凪彦は作兵衛のべらんめえ口調にくつくつ笑って頭を撫でた。作兵衛は自分にしては少し可愛すぎる気もすると思ったが三之助も気に入ったようなので良しとする。
｢というか、ろ組は三人とも さ が名前の先頭に付くんだな。
凪彦は柔和に微笑んだ。
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墺士(プロフ) - 夜ながながさん» コメントありがとうございます！応援よろしくお願いします🤍 (12月11日 13時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
夜ながなが(プロフ) - 続編おめでとうございます！そしてありがとうございます！とても大好きな作品です🫶🏻💖これからも応援しています！ (12月11日 12時) (レス) id: ebecf52502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：墺士 | 作成日時：2023年12月11日 10時
