2-㉚ ページ30
程なくして、うどんが運ばれてきて二人が美味しそうに海老をほうばっているのを見ていると暖簾が上がり知ってる人物が顔を覗かせた。
｢あ、おー！｣
明るい声が届き、手を挙げてこちらへ近づいてきたのは神崎左門と平滝夜叉丸のチームだった。
｢藤内と数馬じゃないか！｣
｢こら、神崎。実習中だぞ｣
｢そうだった！すまん！二人とも｣
凪彦は実名で呼びかけた左門を小声で指摘すると彼は決断力のある大きな声で謝罪する。
ヘロヘロで疲れている滝夜叉丸を少し不憫に思いながら自分たちが座る六人がけのテーブルへ相席させる。
｢海老天うどんか！珍しいな？｣
｢お兄ちゃんに奢ってもらったんだ｣
｢お兄ちゃん？｣
｢うん、そういう関係性なんだよ｣
｢兄妹か？｣
｢ううん、近所に住んでるお兄ちゃん｣
｢なるほど！｣
三年生が三人で仲良く話し始めたので、凪彦は隣に腰を下ろした滝夜叉丸へ話しかけた。
｢お疲れ気味だな？無事か？｣
｢も…ちろんだ…。私を誰だと思っている、実技の成績も一番なら合同実習の成績も一番の滝夜叉丸だぞ…｣
｢そんなに疲れて言われても説得力無いよ｣
｢仕方ないだろう…この左門があっちだーあっちだーばかり言って走ってしまうのだから…正直手網を引くので手一杯だ｣
滝夜叉丸は店員にきつねうどんを二つ頼むと机に額を付けて突っ伏した。
｢ずっと左門の名を呼んでいたから喉が渇いた…｣
｢まさかお前、神崎のことずっと左門って呼んでた訳じゃないよな？｣
｢ん？いや？左門と呼んでいたが…｣
｢おいおい、女の子だぞ。もっと可愛い名前にしてやれよ｣
｢はぁあ？……まぁそうかもしれんがサモコとかにするか？｣
｢ダッッサイなぁ！潮江先輩の文子ほどダサいよ！いや、小平子並にダサい！｣
｢じゃあお前だったらなんて付けるんだ？門子か？｣
｢馬鹿にすんなよ？たく、もっと可愛い名前付けてやれって…｣
｢じゃあもう凪が考えてくれ｣
｢え〜、サモコなんて嫌だよなぁ？神崎｣
左門は口をパカりと開けて困った顔をした。
｢ウチの子達はトウコとカズミだぞ。可愛いだろう？｣
｢あまり深く考えたことが無かった！｣
｢そうかそうか、なら私が可愛い名を付けてやろう｣
凪彦はウーンと左門の顔を見つめた。
腕を組んで｢そうだなぁ…｣と呟いて虚空に円を描く。
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墺士(プロフ) - 夜ながながさん» コメントありがとうございます！応援よろしくお願いします🤍 (12月11日 13時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
夜ながなが(プロフ) - 続編おめでとうございます！そしてありがとうございます！とても大好きな作品です🫶🏻💖これからも応援しています！ (12月11日 12時) (レス) id: ebecf52502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：墺士 | 作成日時：2023年12月11日 10時
