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女の格好をした二人の後ろ姿を見つめ、仲良く話しているのを微笑ましく思う。
はて、自分にこのような時代があっただろうかと思いを馳せた。
｢お兄ちゃん！遅いよ早く！｣
｢お腹がすいたからうどん屋さんに入りましょう？｣
｢ははっ了解｣
先を急いた二人に駆け寄り、転けそうになった数馬の腰を引いて助け起こす。
｢足元に気をつけなさい、カズミ｣
｢あ、ありがとうございます。せんぱ…凪兄｣
｢怪我は無いか？｣
｢はい｣
数馬の小袖を整えてから、うどん屋の暖簾を潜る。
指定された場所に座り、注文をなんにしようか悩む。
｢素うどんでいいかな｣
｢じゃあ私も素うどんで！｣
女装だから食べる量を気にしているのか、はたまた緊張からか一番シンプルなうどんを言う二人に凪彦は食べ盛りの男の子がそれだけで足りるのか疑問に思った。
｢お兄ちゃんは？｣
｢私か？私はそうだな、きつねうどんが食べたいが…お前たちは本当に素うどんでいいのか？｣
｢え？｣
｢折角私が奢ってあげようというのに｣
｢えぇ！！いいの？｣
女装をして僅かに親しげな言葉遣いで話しかける藤内にクスリと笑って｢当たり前だろう？｣と答えた。
事前に二人で決めた課題は奢ってもらうとかだろうな、と当たりを付けていたので、これで凪彦は二人にこの実習で合格を言い渡せるだろうと踏む。
｢お前たち、沢山食べられるな？｣
｢｢うん！｣｣
｢よし、店員さん、きつねうどん一つと海老天うどんを二つお願いします｣
指を二本突き出してちょきをした凪彦をポカンとした顔で二人は見上げた。
｢ん？どうした？｣
｢え、海老天うどんですか？｣
｢おや、苦手だったか？｣
｢いやそうじゃないですよ！値が張るじゃないですか…｣
あっけらかんとした凪彦へ数馬がつっこむ。
｢そうか？まぁ気にするな｣
｢こんなことなら先輩に奢ってもらう予習しておくんだった…｣
｢ハッハッハ、トウコ。私はお兄ちゃんじゃなかったのか？｣
｢おに〜ちゃ〜ん……｣
｢ん〜？なんだ〜？｣
項垂れた藤内へ、凪彦はより一等低い声を出して優しく微笑む。
｢凪お兄ちゃんって、結構狡い男なんですね…｣
｢そうかなぁ〜？まぁ、可愛い妹分の為だ、有難く受けとってくれ｣
｢カッコイイ〜…｣
藤内はひゅ〜と唇を尖らすと鼻にシワを寄せ、むーと笑んだ。
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墺士(プロフ) - 夜ながながさん» コメントありがとうございます！応援よろしくお願いします🤍 (12月11日 13時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
夜ながなが(プロフ) - 続編おめでとうございます！そしてありがとうございます！とても大好きな作品です🫶🏻💖これからも応援しています！ (12月11日 12時) (レス) id: ebecf52502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：墺士 | 作成日時：2023年12月11日 10時
