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彦四郎を抱えて走る。
自惚れとは違うが自分で分かっていた、自分が他人からどう見えるのか。特に男から見られた場合は。
何せ当人たちが持っていないものを持っているのだ、細く、桜の、柔い肌。それと整った目鼻立ち、幼い頃には既に言われていた｢お母さんにそっくりで成長したらさらに美人になるわね｣と幼い頃に耳にタコができるほど聞かされてきた母の話。
母は凪彦が齢七つになる頃に病で亡くなってしまった。珍しい病気とか流行病とかでは無い、その職に就くものなら誰がなってもおかしくない病気。
母は遊女だった。察せれば察せるところ、きちんと聞いたわけではないが十中八九性病で亡くなっている。
そもそも遊女なんて20代前半で亡くなることがほとんどであるし、どんな死に方をしても今更そんなこと私には関係ない事だった。
しかし瓜二つと言っても過言では無い程、上七軒の花魁である母に生き写しの自分。その美貌を持って謀らずして人を拐かすのは得意な部類だった。
こうなってしまうことは自明の理だったのだ。
ただ、ここ、忍術学園へ逃げてきてからはそういったことが減っていたので油断していた。
そもそも自分のことを男だと思ってくれているのでわざわざ警戒する気も無かったのだが、齢十三になった自分と入りたての一年生となるとそうもいかないらしい。
凪彦はぐったりしている彦四郎を保健室へ連れて行き畳に寝転がした。
あとから滑ったり転けたりしながら保健委員長である善法寺伊作が入室してきて彦四郎の様子を見て手当をしてくれた。
｢大丈夫みたいだよ、鼻血以外は特に変わったことは無いみたい、ちょっと興奮してのぼせちゃっただけかな｣
｢そうですか…ありがとうございます｣
彦四郎の前髪をさらりと撫でて血で汚れてしまった忍装束を持って保健室から出た。
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墺士(プロフ) - 夜ながながさん» コメントありがとうございます！応援よろしくお願いします🤍 (12月11日 13時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
夜ながなが(プロフ) - 続編おめでとうございます！そしてありがとうございます！とても大好きな作品です🫶🏻💖これからも応援しています！ (12月11日 12時) (レス) id: ebecf52502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：墺士 | 作成日時：2023年12月11日 10時
