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三郎が凪彦の頭をスパンッと叩く。そんなことものともせずに懐からだした手拭いで雷蔵の涙を吸っていく。
雷蔵は嘘だと聞いてホッとした。目の前で慌てる二人をみてなんだか可笑しくなって思わず吹き出す。
その雷蔵の様子に今度は凪彦と三郎がホッとしたのも束の間、八左ヱ門が｢アレ…｣と指さした方を見て絶句した。
離れた席に座っていたろ組の中在家長次が立ち上がって、ふへへ……と笑っていた。あ、あれは…相当怒ってらっしゃる。
どうやら話を聞いていたらしい。泣いてしまった雷蔵をみて長次が縄鏢を振った。
｢ワー！中在家先輩ごめんなさい！！うわーん！図書委員の不破先輩のブレーン怖すぎるよー！！｣
そう言って右足に乗せていた雷蔵の足をそっと下ろして体勢を立て直してあげる。
数日前に夫婦をした時とは思えないほどふへへと笑う長次は怖かった。
｢ほらほら、泣くな雷蔵。殆ど嘘だから…怖かったなぁ…西園寺が｣
｢そ、そもそも悪いのは鉢屋先輩じゃないですか…｣
｢はぁあ？お前何を言っているんだ。だいたい雷蔵を巻き込みさえしなきゃこんなことにはならなかっただろ！｣
｢そうかもしれませんけど、普通に貴方が昨日の腹いせに私の長屋へ侵入したら返り討ちにあったって言ってれば俺だってこんな馬鹿な真似しませんでしたよ！｣
衆人環視の中、立ち上がった三郎と凪彦は罪の擦り付け合いをする。
｢いいや！まず私に長屋へ侵入させる原因を作ったのはお前だろうが｣
｢それは先輩が俺の体をまさぐろうとしたからじゃないですか！！久々知先輩は俺の味方ですよね！？｣
｢へ！？｣
｢おま！狡いぞ！｣
机をダン！と叩いた凪彦が兵助に話を振った。
まさか自分の名が呼ばれるとは思わなかった兵助は冷奴を食べていた手を止め半笑いで困った顔をした。
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墺士(プロフ) - 夜ながながさん» コメントありがとうございます！応援よろしくお願いします🤍 (12月11日 13時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
夜ながなが(プロフ) - 続編おめでとうございます！そしてありがとうございます！とても大好きな作品です🫶🏻💖これからも応援しています！ (12月11日 12時) (レス) id: ebecf52502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：墺士 | 作成日時：2023年12月11日 10時
