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｢いてっ｣
｢急になんですか、もっとマシな嘘ついてくださいよ｣
｢嘘じゃない！！お前が潮江先輩に俺を売ったんだろうが！！｣
｢あ〜、そうでしたねすみません｣
｢なんだその心のこもってない謝罪は！お前のとこの委員長の顔が見てみたいね！！｣
｢貴方たちじゃないですか…｣
余裕そうにボケ始めた三郎に凪彦はため息をこぼす。
｢貴方、今日不破先輩にはなんか言ってから来たんですか？｣
｢出てくるとだけ言ったが？｣
｢ふぅん…。そう…なんですね〜…｣
｢なんだよ｣
凪彦は三郎の返事を聞くと彼に跨ったまま逡巡して口を開く。
｢俺が何故鉢屋先輩と不破先輩の違いがわかるんだと思いますか？｣
そう言われ、初めての学級委員長委員会の時に正体を当てられたのを思い出す。あの時の自分は口調まで雷蔵に寄せていたというのに目の前の彼は顔を近づけたと思えば｢なんだ鉢屋三郎先輩でしたか｣と宣ったのだ。あの日の自分の変装は完璧だったはずなのに。
質問に対し、分からないと答えるのが癪で口を噤んでいると凪彦はクスリと笑ってから顔を三郎に近づけた。
｢不破先輩、顔を近づけると赤みが増すんです。ほっぺたの。貴方は面だから顔色なんて変わらないでしょう？｣
ドキリとした。そうだ、この面の下の自分の顔を見ればきっと赤いだろう。それは雷蔵も三郎も同じで生身の人間なら眉目秀麗な凪彦に顔を近づけられたら誰だって顔が赤もしくは青に変化してしまうのだ。
グイッと三郎の首筋に顔を近づけた凪彦は彼の左首筋に口を付けてヂュと吸った。
凪彦の髪の毛がさらりと零れる。
何をされたか分からない三郎は抵抗なんてせずに｢は？｣と呟く。
｢コレでもっと分かりやすくなりましたね｣
暗くて分からないがきっと三郎の首筋には赤い花が咲いているだろう。三郎は口をパクパクさせて目を瞬かせた。
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墺士(プロフ) - 夜ながながさん» コメントありがとうございます！応援よろしくお願いします🤍 (12月11日 13時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
夜ながなが(プロフ) - 続編おめでとうございます！そしてありがとうございます！とても大好きな作品です🫶🏻💖これからも応援しています！ (12月11日 12時) (レス) id: ebecf52502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：墺士 | 作成日時：2023年12月11日 10時
