こえのだしかた ページ2
「あーーーーーー」
『あーーーーーー』
「ちげぇよお前もあーって言ったら俺のあーが聞こえねぇだろ」
『だって竜胆の口見てるだけなのシュールなんだもん』
「それは…まぁ確かに」
『なんであーって言い出したの？』
向き合いってソファに座りながら言う。
「俺の声」
『こえ？』
「俺の声はこれ。この声が俺の声ね覚えて」
あ、私の昨日の話のことだ。
忘れちゃうから、忘れないように復習してくれてるんだ
ちょっと泣きたくなって口をきゅっと結ぶと、竜胆が私を真っ直ぐ見ていた。
透き通ったように綺麗なこの目は透き通りすぎて私の気持ちまで見えてしまっているんだきっと。
でも、それはそれでいいかもしれない。
私竜胆になら心の中まで見られても良い。竜胆竜胆ってずっと言ってる心の中をみた竜胆が照れてくれてもいい。
「覚えた？」
『竜胆の声は低くてね、でも低すぎないの。私は1分に1度竜胆の声を聞かないと中毒だから危険症状が出ちゃうよ』
「ふははっなんだよじゃあ、イヤホンでずっと俺の声聞いとかなきゃな」
『タチの悪いことにこれは本物の竜胆の声じゃないと危険症状を回避出来ないのです！』
そう言えば笑って私を抱きしめる竜胆。幸せそうに目を細めるからこの笑顔が私によって作られたんだと思うと、それはそれはもう満足なこと。
満足気な私に気付いて竜胆はふにふにと私の頬を優しくつねった。
『私の名前呼んで』
「A」
優しく呼ばれるけれど、思ってたのとは違う。
もっと、なんかこう、
『離れた時に大声で呼ぶ感じの』
「？」
ソファから降りてキッチンの方へ走った。頭にハテナを浮かべる竜胆に向かって大声で言う。
『もっかい呼んでー！！！』
「そんな大声じゃなくても聞こえてるっつの！！！」
「なんか遠いと、変な感じする」
『よんだー？』
「Aー」
びびびっと来てブワッと毛が逆立つような気がしたけれど私の髪の毛は一切動いてない。
そう！！！それだ！！！
気持ちが大きくなって走って竜胆にダイブした。
下敷きになった竜胆に抱きつく。
ぐえと声がしても竜胆のTシャツに顔を埋めた。
「い”ってー」
『その声の竜胆が好き』
そう言えば顔を真っ赤にして私の目を右手で隠す。すっぽり視界を奪われてしまったけれども、私は透視が出来るようになったのかもしれない。
真っ赤っかな竜胆が左斜め下を見てる気がする。
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右梅(プロフ) - 43yomi1さん» うわぁぁぁ名前まで覚えてくださってるなんて、恐縮です。作品ほとんど変なところで終わってるのに新作ばっか作ってて、ごめんなさい…コメントありがとうございますm(_ _)m頑張ります (2021年9月29日 1時) (
レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - 新作おめでとう御座います…!! 右梅様の小説とっても素敵で、何時も楽しく読ませて頂いております。 竜胆と夢主ちゃんの絡みとっても素敵です´`* 応援しております、更新お疲れ様です*_ _) (2021年9月29日 1時) (レス) @page4 id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：右梅 | 作成日時：2021年9月29日 1時
