理想論【東京リベンジャーズ】

八部 ページ8

『イザナぁ。足しょわねえ？』
(イザナぁ。足大丈夫？)


「全然痛くねぇよもう」


何人もにリンチされて、重体で病院に運ばれてきたイザナはもう何ヶ月もすれば足の骨折のみになっていた



『どうせ強がってんな』


「強がってねぇよ」


『思うてん言わな良かった』
(思っても言わなきゃ良かった)



ドスの効いた声で返されて病室で1人反省会をする。
イザナが暇だと聞いてきたのに、私が来た所で暇が忙しいに変わる訳もなく。




『UNOしようえ』
(UNOしようよ)


「めんどくせぇ」


『トランプ』


「疲れる」


『かるた』


「狭い」




フルカウンターをくらい口を尖らせる。舌打ちをしていくうちにリズムに乗るのが楽しくて舌打ちで音楽を歌う。



そのうち、”本家舌打ち”をくらい私は黙る。




『ここ防音機能着いちょん部屋かな』


「？会話くらいは防ぐんじゃねぇの」




病室で何言ってんだと不振な顔をしてイザナがいう。
私は、洗って干してあった花瓶を逆さまに持つ。




「割ったら罰金だぞ」


『馬鹿言え。私ゃそげなヘマする訳ねえ』





スゥゥゥと息を吸った。





『ひーまわりのよ、ひっく、うな、ひっく、真っ直ぐなその、ひっく、優しさを』



不運なことに歌う途中にしゃっくりが挟まり、私の歌が下手くそに聞こえる。



「生物の絶滅みたいな歌歌うな」



『向日葵ん開花ん歌んはずなんやけど』
(向日葵の開花の歌なはずなんだけど)




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