理想論【東京リベンジャーズ】

十八部 ページ18

殴られて殴られて、総長代理は血を流しながらも立ち上がった。



「小2のパンチじゃねぇか！！！」



それでも立ち上がった。



「いいのかタケミチ。これ以上やったら死ぬぞ」


「うるせぇ！！」



振り上げた拳よりも先に鶴蝶が顔を殴った。



「死ね！！！！」



『鶴蝶！！』



鶴蝶は人殺しには加担しないはず。
人を殺さない。


私は鶴蝶の肘を掴んだ。




「待ってくれ！！！」



鶴蝶と総長代理の間に背中を向けてさっきのやつが入った。



「400対50。初めっから勝てるわけねぇ戦いだった。見ろ…もう…立てるヤツなんて一人もいねぇ。お前は…よくやったよ…でも…これ以上は死んじまう」





「東卍は負けねぇ！！！！！！」



「俺がいる限り東卍は…負けねぇんだよ」









「何してるA。手を離せ」


鶴蝶を掴む手は離さない。自分の息が上がるのがわかる。鶴蝶も息を荒くする。


「カクちゃんじゃ俺に勝てねぇよ」


「…は？」


「目ェ見りゃわかる。負けらんねぇって覚悟がねぇ」



パッと手を離した。



「どけ」



稀咲が割って入った。



「じゃあてめぇにはあんのか？タケミッち」



「その死んでも負けらんねぇって覚悟がよ！！！」



銃が向けられた。私は咄嗟に稀咲をみた。



『おいちめぇ！！そげなん聞いちょらん！！！』
(おいてめぇ！！そんなのきいてない！！)



「ガキの喧嘩だろ！？」



おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい



ほら、やっぱり天竺はおかしい。




「お前何ビビってんだよ」



総長代理は動かない。




ドンッ




撃たれた。足。




「どうしたよ？稀咲…足うったって俺は死なねぇぞ」


「俺にはマイキーくんみてぇなカリスマもねぇ」



「！？何言ってんだてめぇ」



「ナオト見てぇに賢くもねぇし、ココくんみたいに器用でもない。ムーチョくんみてぇに体もでかくねぇし、ドラケンくんみてぇにけんかもつよくねぇ」



「だから、俺に出来ることは1つ！！」



立ち上がった。




「諦めねぇ！！」


「死んでも諦めねぇ事だ！！」

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