理想論【東京リベンジャーズ】

二部 ページ2

バシッ


かわいた音が響いて食堂が静まる。


「あんたいい加減にしなさいよ！？」


手首を掴まれる。ズルズルと引きずられて足の裏が傷んだ。掴まれてない左手で思いっきり腕をつねってやる。


怯んだすきに高速を振りほどいて逃げ出した。制止の声を無視して。ついでに、泣きわめいた男の足を踏んずけてやった。もちろん爪食い込ませた。



頬に湿布を貼って、足に包帯を巻いてから靴を履いた。


ポロッ


口の中がカタカタなってペッと吐き出すと歯が出てきた。歯抜けた。


「傷だらけじゃん女のくせに」


振り向けば1人の男の子がたっている。
無視して靴紐を結び直す。でも、素振りで破れたマメの痛みで中々靴紐が結べない。


「貸せよ」


プイと反対方向を向いて結ぼうとすると、男の子が先回りをして接近する。渋々手を離すと男の子が丁寧に靴紐を結んでいく。


「1番の問題児だなお前」


『ほっちょいちくり』
(ほっといてよ)


不貞腐れて言えば、靴紐を結び治った男の子が立ち上がった。



「お前強いから俺の下僕になれ」


『？？何言いよんの』


「国を作る。国に1人剣豪が居たらかっけぇだろ」


『…！』


「ただの問題児じゃ終わらせねぇ。俺がお前の王になる」



私はその時王(イザナ)に忠誠を誓った。

三部→←一部

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す