42.大丈夫じゃないから ページ10
走り去っていく彼女をボーッと見つめるA。
その後ゆっくりと胸をなでおろして誰もいない席に腰かけた。
とんでもない緊張で呼吸を忘れて一生懸命呼吸をする変人と化したA。
顔を上げるとドアに映る見慣れた顔。
いかにもサッカー少年のような黒い肌。そばかす。
Aはいつも心の中で″黙れよ。コッペパン″と呼んでいた。(奴の好物がコッペパンってゆうのもある
『おい。コッペパンてめぇ出てこいよ』
ハル「キャァァァァ!!」
「あれ?ハルじゃん」
「般若の顔のは初音?」
「そーじゃん?」
・
『は?なんで?』
居残りをしているハルの前に腰かけたAがルービックキューブから顔をあげた。
ハル「えー?だってAお化け見えてるっしょ?」
始まりはハルの″Aってもしかして霊媒師とかだったりすんの?″という発言だ。
『…別に見えてないよ』
ハル「だっていっつもなんか変な方向みたら顔しかめんじゃん」
『なんで知ってんだよ気持ち悪い』
ハル「人の善意を素直に受け取れや!!」
「何が見えてんだよお前!!」
『なんも見えてないよ』
ハル「いーや嘘だね!!なんでもったいぶんだよ!!独り占めか!?愛らしいヤツめ!」
『呪いだけど』
ハル「清々しい程の暴露だな」
「あーね。呪いね。何それ」
『説明めんどくさいの。人間から生まれた化け物です』
ハル「ざっくりしすぎ。意味わからん」
『攻撃してくるんだよ。危険なの』
ハル「はぁ〜?じゃあ俺見えないから死ぬじゃん」
『……かもね』
ハル「そこは俺が守るっていうんじゃねーの!?」
『やだよ。めんどくさい』
ハル「お母さんAちゃんのこと心配よ」
「お願いだからルービックキューブ投げる準備しないで」
・
purururu
数週間後Aの携帯がなった。
画面には″ハル″の文字が。
応答を押す。
ザーッザ、ザーッ
砂嵐のような音が聞こえて元々耳から離していたスマホをさらに離した。
なんの声もしない。
『何。ハル。俺暇じゃないよ』
変わらず砂嵐が聞こえ続ける。
Aは癖で耳に集中して澄ます。
カッと目が開かれるとAはタンスの奥に閉まっていた骸骨と蛇のゴムをもって走り出した。
外は雪の降る真冬だった。
・
『…ハァハァ』
息を整える暇もなくAは周りを必死に見渡す。
怖いくらいの静寂。
『ハル!!!!』
『ハル!!!!』
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せみのぬけがら(プロフ) - ソラさん» ほんとだっ!!わざわざありがとうございます(^^) (2021年2月12日 18時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 48、49(?)話らへんで、硝子さんが、梢子さんになってると思います。間違ってたらすみません。 (2021年2月11日 16時) (レス) id: 9410ab3aed (このIDを非表示/違反報告)
せみのぬけがら(プロフ) - 羅飛さん» このネタ伝わんなかったらどうしよ・・・って思ってました笑笑わざわざ、コメント寄せてくれて助かります。ありがとうございます! (2020年11月19日 0時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
羅飛 - 41話の「今日から(名前)は僕のダーリンだ!」で顔がめっちゃにやけてるのが自分でもわかりましt((いつも楽しく読ませていただいてます。更新無理せず頑張ってください! (2020年11月18日 23時) (レス) id: ece54e7d40 (このIDを非表示/違反報告)
せみのぬけがら(プロフ) - 東明さん» きゃー!ありがとうございますm(__)m頑張らない程度に頑張ります笑笑 (2020年11月14日 18時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えすめ | 作成日時:2020年11月13日 22時