65.恋人繋ぎ ページ38
「!?ッヅ」
「いいですよ。じゃあそっちは任せます」
乙骨先輩が直哉の身を知らずに心配することも無く淡々と行って悠仁の方へ向かった。
『はは。舐めやがって』
戦闘中に会話だなんて。
直哉の笑顔がとうとう崩れた。ジュジュ…と肉のやける音と肉のやける嫌な匂い。煙が立つ。
直哉が手を話そうと力を込めるが、俺は離すまいとさらに強く握った。
「自分の手のひらも溶けとるやん…!!イカレとんのか!!」
『相変わらずよく喋るよね。あんなに手を繋ぐの喜んでたじゃんか今更離せなんて都合が良すぎるよ』
笑いながらそういう。
「ドブネズミがぁ…!!!」
ギギギと血が出るほど食いしばって直哉が言う。はは!と笑いながら俺は毒をもっと多く出した。
ドロンと手の手の隙間から血と毒が垂れてくる。
手の痛みは尋常じゃない。でも怒りか何かで、痛みは感じなかった。
手のひらが抜けて、ぬちゃと嫌な音がする。
骨が出てきてもおかしくない。でもどうでもいい。
相手を殺せさえすれば
『っ』
バッ!!!
俺は直哉の手を離した。否、離さざるを得なかった。
離された。脹相に。
離れて我に返る。
ドン!と壁に当たった赤血操術によって壁が壊れて煙とともに直哉は見えなくなった。
「自分を滅ぼしてまで相手を殺す必要はない。無駄だ」
『っごめん』
脹相がそう言って俺は俯いた。
「安心しろ」
顔を上げた。
「俺もアイツを殺す理由がある」
「俺の弟に手を出して生きて帰れると思っているらしいからな」
俺は何だか悠仁と話しているような気がして気が緩んだ。眉を下げて小さく笑えばガラガラと音がして脹相
が目の前から消えた。
短時間しか関わっていなくともわかる。
姿の見えない直哉に飛び掛るような馬鹿な真似はしないはずだ。
だとしたら__________
『脹相!!』
グンッと直哉が脹相の肩に手を回して殴った。脹相がバランスを崩す。
直哉は平然とした顔でまた笑みを浮かべながら立っていた。
赤血が練れない。
直哉をそこまで削れていなかったのか??
「見てたでさっき。赤血操術やろ?」
「!」
術式内容も完璧に知られている。部の悪い戦い。
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せみのぬけがら(プロフ) - ソラさん» ほんとだっ!!わざわざありがとうございます(^^) (2021年2月12日 18時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 48、49(?)話らへんで、硝子さんが、梢子さんになってると思います。間違ってたらすみません。 (2021年2月11日 16時) (レス) id: 9410ab3aed (このIDを非表示/違反報告)
せみのぬけがら(プロフ) - 羅飛さん» このネタ伝わんなかったらどうしよ・・・って思ってました笑笑わざわざ、コメント寄せてくれて助かります。ありがとうございます! (2020年11月19日 0時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
羅飛 - 41話の「今日から(名前)は僕のダーリンだ!」で顔がめっちゃにやけてるのが自分でもわかりましt((いつも楽しく読ませていただいてます。更新無理せず頑張ってください! (2020年11月18日 23時) (レス) id: ece54e7d40 (このIDを非表示/違反報告)
せみのぬけがら(プロフ) - 東明さん» きゃー!ありがとうございますm(__)m頑張らない程度に頑張ります笑笑 (2020年11月14日 18時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えすめ | 作成日時:2020年11月13日 22時