可愛くない1年生達【呪術廻戦】【男主】

47.駆け声 ページ15

「A…A…」

瞼の奥に見えた光にそって歩いた。目の前には真っ白な糸が広がる。

「おはよう。何か食べたいものは？」



悟＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



大きな手が俺のおでこに当たる。ヒヤリとした感覚が伝わる。

心做しか体温が高い。熱が出てるのか。
壁は真っ白 ソファーやらなんやらは全部黒。

漫画の棚だけがカラフルだ。

無駄にでかいテレビに敷き詰められたゲーム。桃鉄の入れ物だけが机の上に置かれていた。


間違いなく、悟の部屋だ。


五条「大丈夫かよ？」


久しぶりに見た学生の悟の喋り方はかなり男子高校生だった。

初めて会った時は既にもう今のヘラヘラ悟だったけどたまにボロが出て口が悪くなることがあった。


『…飯…』

五条「なんの？」

『レモン…パイ…』

五条「馬鹿かよ…病人にそんなん食わせねぇよ。お茶漬けでいいか」

『話聞けって…』


ケホッと咳がでる。


五条「終わったらー桃鉄百年やろうぜ」

『っざけんな…』

五条「梅か鮭どっち？」

『うめ…』

五条「鮭ねー」

『くっそ…』


こいつ楽しんでやがる。


五条「オラ起きろ。飯だ」


ゆっくり体を起こす。体が重い。ケラケラと笑う悟を睨む。


五条「大丈夫ですかぁ〜Aちゃん」

『ちゃん付けやめろ。女の敵』

五条「お前も同類だろ。はい」


「『いただきます』」



ちゃんと梅だ…。



『…』

五条「あーAちゃんが感想言ってくれなくて萎えるー」

『………………うまい』

五条「どんな風に？？」

『調子乗んな』

・

『どこ行くの？』

五条「あれ、起きてたの。ケーキ屋」

『…？』

五条「レモンパイ…俺が食べたいなーって」


フッと頬が緩んだ気がした。


『行ってらっしゃい』


背中を向けた。


五条「行ってきまーす」

ガチャン


・


ポロ


止まれ。


止まれ。


『…戻り…たいなぁ』


みんなが笑顔だった頃に。



誰も傷ついてない頃に。





白が生きてる頃に。


ハルが生きてる頃に。



『救えなくて…ごめんねぇ…』



⇒⇒⇒⇒⇒⇒＿⇒☠⇒☠

お久しぶりです。

突然ですが、A君は悟が封印されていることを知りません。誰とも合流してませんし虎杖が叫んだ時には外にいませんでしたから。

以上です。

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