【ヒプマイ】姉でした。【山田家】

3話 ページ4

貴方side

"....分かった。"

そうは言ったが、これからどう生きていくのか、

全く考えなどがあるはずもなく、

安易に出してしまったその答えに、

自分でも少し戸惑っている最中である。

とはいえ、私が高校を卒業するまで、まだ一年はある。

その間に、就職先と、住む所と、一郎達の転校の手続きもしないと。

まずは住居を探そう。

園『Aちゃん。昔、君達の親御さんが住んでいた、
　住居があるんだけど、そこなら、ローンももう完了しているし、
　お金も必要ないから、そこに住んではどうかな？』

貴『い、いいの！？じゃあ、そこにするよ。』

あっさりと住居が決まってしまった....。

なら次は就職先を決めないと....。

なるべく、給料が高い所がいいな....。

だけど、高卒でそんな高い給料貰えるところなんてないよな....。


....ちょっと外の空気を吸いに行こう。


イケブクロはやっぱり人が多い。

時刻はもう20時だ。

こんな辺りが暗い時間に外に出た事がないから新鮮だな。

貴『ハァ....どうしよう....』

??『なにが？』

貴『ぅわっ！？！？』

びっくりした....。

??『いや、困っているようだったから。』

そう言って声を掛けてきた男は、

私より5、6歳年上なようで、

しっかりした身なりをしていた。

貴『あ、いや、えと....なんでもないです....。失礼します。』

変に絡まれる前に逃げよう。

そう思ってＵターンしようとした、その瞬間....

??『待ちたまえ。当ててあげよう、君は、職を探しているね....？』

エスパーか何かですか貴様は。

??『実は、僕は事務所を経営してるんだがね....。
　 どうも、"事務員"が足りなくてね....。うちで働かないかい....？』

いや、怪し過ぎるだろ。

ぜってぇキャバクラとか風俗とかだろ。

貴『へぇ、因みにどんな事務をなさる所なんですか？』

??『実はね...."殺し"をする事務なんだよ....。』ﾆｯｺﾘ

貴『いやいやいやいや、何言ってるんすか！？冗談でしょ！？』

ﾆｯｺﾘ、じゃねぇよ！！

殺しなんて、犯罪じゃん！？この人何言ってんの！？

??『まぁ、給料は馬鹿高いよ。依頼に従って殺るだけだから。
　 気が向いたら、ここに連絡してくれ....。』


その名刺に書かれた名は、

【五十嵐 海】、今の私の事務長であったのだ。

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